ガスフレキカッターの選び方:レッキス vs スーパーツール
大正時代から続く配管工具の専業メーカーの歴史と実績
大正14年、宮川工具研究所として創立されたレッキス工業は、今日では最先端の技術と洗練されたデザインを持つ配管機械工具を提供しており、多くのプロから高評価を受けています。一方、それより早い大正7年に創業したスーパーツールも「安全性と作業効率の追求」を掲げて作業工具の製造を続け、甲乙つけがたい配管工具専業メーカーとしてその地位を築いてきました。
ガスフレキカッターを選ぶポイント
レッキス工業は、ユーザーのニーズに応じて仕様変更を繰り返すことで強靭な耐久性はもちろんのこと、基本機能にプラスワンした製品を提供しています。一方、スーパーツールは、高いコストパフォーマンスを誇り、手頃な価格で質の高い製品を提供しているのが特長です。それぞれのブランドが持つ強みを理解し、自らの用途や予算に応じて選ぶことが重要です。
ここでは、レッキス工業の「ガスフレキカッター(品番:1713F3)」とスーパーツール「フレキ管カッター(品番:TC105NF)」の選ぶポイントを5つに分けて紹介します。
サイドローラーの幅と直径
レッキス工業の「ガスフレキカッター(品番:1713F3)」の新型(Nシリーズ)から、上の写真の丸で囲んでいるサイドローラー間の幅を約4.0mmとして安定性と正確性を高めました。これに対し、スーパーツールの「フレキ管カッター(品番:TC105NF)」は約2.2mmの幅を持っています。15Aのパイプでは両者ともに遜色ない性能を示しますが、25Aの太いフレキパイプの場合、その違いが顕著になります。さらに、サイドローラーの直径も、レッキス工業が約15.8mm、スーパーツールが約12.5mmとなっています。この直径の違いは、ガスフレキの被覆部分のよじれを効果的に防ぐ点で重要です。
センターローラー形状
レッキス工業の「ガスフレキカッター(品番:1713F3)」は、センターローラーが分割されているため、刃がその間に収まる設計となっています。これにより、工具箱に収納しても他の物が直接刃に触れることなく、刃が欠けるリスクが低減します。
替刃の特徴や付属品
レッキス工業「ガスフレキカッター(品番:1713F3)」の刃は、ベアリング鋼(高炭素クロム軸受鋼)を使用しており、強靭で耐久性が優れています。スーパーツール「フレキ管カッター(品番:TC105NF)」も、特殊合金鋼を使用しており、最適な熱処理で切れ味と強靭な耐久性を実現しました。刃の切れ味と耐久性は同等です。さらにレッキスの特長として、グリップの底部に替刃が収納されている点が挙げられます。この機能は非常にお得感があり、緊急時などに迅速に刃を交換することが可能です。スーパーツールにはこのような付属の替刃がないため、レッキスはこの点で明確なメリットがあります。
ボディのサイズや重さ
品番 | 全長(mm) | 質量(g) |
1713F3(レッキス工業) | 165 | 245 |
TC105NF(スーパーツール) | 126.5 | 240 |
好みやなじみがあるためどちらが優れているとはいえませんが、スーパーツールの方がやや小型になっています。
コスト
品番 | 基準価格 |
1713F3(レッキス工業) | ¥7,150 |
TC105NF(スーパーツール) | ¥2,840 |
※2024年4月時点での基準価格です
価格面ではスーパーツールに圧倒的なメリットがあります。
8A~25Aに対応するフレキカッターのラインナップ
レッキス工業「ガスフレキカッター(品番:1713F3)」
品番 | 適合 | 付属 | 刃径 |
1713F3 | 8A~25A | 替刃1枚付き | 直径19mm |
424200 | 替刃 |
直径が約15.8mmのサイドローラーが、特に25Aサイズのような太いガスフレキ管に対して被覆部分のよじれを効果的に防止します。そのため、25Aを用いた施工がある方には特にオススメです。
スーパーツール「フレキ管カッター(品番:TC105NF)」
品番 | 適合 | 付属 | 刃径 |
TC105NF | 8A~25A | なし | 直径18.7mm |
TCC105F | 替刃 |
実は、桑名金属工業(旧日立金属)のガスフレキ管ソフレックスをお使いの方に特にオススメしたいアイテムが「フレキ管カッター(品番:TC105NF)」です。このカッターを使用すると、ガスフレキ継手プッシュインパクトへの接続要件として定められている、7山を残しての谷部切断が非常に簡単に行えます。具体的には、下図に示すように、被覆を剥離した部分の根元にカッターを押し当て、谷部を切断するだけ。この手軽さにより、山の数を一つ一つ確認する手間が省け、作業時間の短縮が期待できます。ただし、この方法はガスフレキ管の10Aおよび15Aサイズにのみ適用されます。
まとめ
大正時代から続く2大配管工具メーカーのガスフレキカッタ―の機能や性能を比較すると、直近の仕様変更によりレッキス工業の「ガスフレキカッター(品番:1713F3)」の方がホールド感が増しており、特に25Aの太いガスフレキ管に効果的だと言えます。一方、スーパーツールの「フレキ管カッター(品番:TC105NF)」は、桑名金属工業(旧日立金属)のガスフレキ継手プッシュインパクトを使用している施工業者様にオススメです。
※2020年9月2日に公開された記事を校正しなおし2023年9月8日、2024年4月9日に再度公開しました。
寺島 佳希
最新記事 by 寺島 佳希 (全て見る)
- 消火器点検を忘れずに!アナログだけど管理に便利な『消火器点検ステッカー』 - 2024年10月30日
- フラットパネルの換気扇でワンランク上の空間をご提案 - 2024年10月23日
- マグネットが弱くなっても捨てないで!ビットの磁力を復活させる『ネジマグキャッチャー』 - 2024年10月16日