
わずかなスペースでも専用回路を複数増設できる「プラスばん」
専用回路を省スペースで複数増設
既存の分電盤に空きがない場合は、分電盤ごと新しいものに取り換えるか、分電盤を増設するかの2パターンに分かれます。前者は、仕上がりは美しいものの配線を全て外して再配線する必要があるため時間もコストもかかります。その点、分電盤を増設する工法は既存の分電盤から送り配線するだけなので安価でスピーディーに対応できるメリットがありますが、これまでは意外とスペースに制約がありました。
コンパクト設計で美観性も抜群
幅127×高さ220×奥行52のコンパクト設計の「プラスばん」は、省スペースで最大4回路まで増設することができます。また、Panasonic社の分電盤コンパクト21と同デザインですので、既存の分電盤がコンパクト21であれば、迷うことなく「プラスばん」を選定して下さい。
ノックアウト付で露出配線にも対応
ノックアウトが付いているので、プラモールを利用した露出配線も可能です。その場合は、カバー上部にニッパで2mm程度切込みを入れ、ペンチで中央部をはさんでもぎ取り、ヤスリで仕上げてください。その際、カバーが割れるおそれがありますので、徐々に切り取っていくことがポイントです。ホコリや小動物の侵入を防ぐため、通線後の隙間はパテなどで埋めてください。
配線は既存の分電盤からの送り配線する
「プラスばん」への配線は、既存の分電盤にある送り端子から図1のように配線します。下図の配線が全てではありませんが、基本的なパターンとしては下図のようになります。100Vの配線は片寄せ配線となりますので、既存の分電盤の配線を考慮し、負荷が均一になるように配線してください。プラスばんでは図1の赤色の端子台で100Vをとりますので、既存の分電盤の負荷が少ない電圧線を赤色の端子台に接続してください。

図1:隠ぺい配線時の配線例。プラスばんでは写真の赤の電線の部分の端子台で100Vをとりますので、片寄せ配線にならないよう注意してください。
ブレーカの取付はワンタッチでカンタン接続
ブレーカーの取付は、図2の赤丸で囲った2ケ所のビスを外して、押し金具を取外してから、ブレーカを押し込むだけです。ブレーカはPanasonic社のスリムブレーカをお使いください。

図2:2ケ所のビスを外し、ブレーカーを軽く押し下げればカンタンに取外しが可能です。
100V→200Vの切替もボタンを押し込むだけのカンタン設計
200V対応のブレーカは、デフォルトでは100V設定になっていますが、図3上の赤丸で囲ったボタンを押し込むだけで電圧線が切替わり200V設定に変更できます。なお、100Vに戻す際は、ブレーカを分電盤から取外し、ブレーカー側面から切替を行ってください。図3の写真下の赤丸の突起部分を矢印の方向に押し込むことでカンタンに100⇔200Vの切替をすることができます。

図3:100Vから200V、またその逆への切替えもカンタン
ラスばんのラインナップ

「プラスばん 回路増設用分電盤」は1台から翌々日出荷になります。
ベース部にはφ4.5の固定穴が8ケ所空いていますので、石膏ボードで下地が効かない場合は、スマートプラグを使用して固定してください。
品番 | 定格 | 回路数 | 予備回路数 | 搭載ブレーカ | 基準価格 |
BQNE22K | 50A | 2 | 2 | 2P1E 20A 100V×2 | ¥4,080 |
BQNE31K | 3 | 1 | 2P1E 20A 100V×3 | ¥4,840 | |
BQNE40K | 4 | 0 | 2P1E 20A 100V×4 | ¥5,810 | |
BQNE222K | 2 | 2 | 2P1E 20A 100V×1
2P2E 20A 200V×1 |
¥4,420 | |
BQNE223K | 2 | 2 | 2P1E 20A 100V×1
2P2E 30A 200V×1 |
¥4,750 | |
BQNE2232K | 2 | 2 | 2P2E 20A 200V×1
2P2E 30A 200V×1 |
¥5,320 |
プラスばんに対応するブレーカのラインナップ
品番 | 定格電圧 | 定格電流 | 極数素子 | 基準価格 |
BSH2151 | AC100V | 15A | 2P1E | ¥950 |
BSH2201 | 20A | ¥950 | ||
BSH2152 | AC100/200V | 15A | 2P2E | ¥1,370 |
BSH2202 | 20A | ¥1,370 |
まとめ
消費電力が1000W以上の家電製品や、冷蔵庫のように継続的に電力を使う電化製品は、専用の電気回路が必要です。これまでは専用回路増設といえばエアコンの台数だけを考えていればよかったのですが、魅力的な大型家電が増えているので予備回路もつけた回路増設の提案をしていきましょう。「プラスばん」なら、幅127×高さ220×奥行52のコンパクト設計で最大4回路まで増設できます。さらに、上面にはノックアウトが付いているので、露出配線にも対応しています。また、Pansasonic社の分電盤コンパクト21と同デザインですので、既存の分電盤がコンパクト21の場合は、迷うことなく「プラスばん」をオススメいたします。

佐々木瞭
2018年より営業部に所属し、分類は配線器具・設置固定を担当しています。
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