防水圧着スリーブ4種類の写真

電気工事の基本|結線作業に使う「圧着端子」と「圧着工具」の種類

配線工事において不備が発生しやすいのが結線工事。結線の際に使用する圧着端子は大まかに分けると『電線と電子機器を接続するもの』と、『電線どうしを接続するもの』の2つにカテゴライズすることができます。本稿ではその中から、後者にあたる電線どうしの結線に使用する圧着端子の種類をご紹介します。

 

圧着スリーブによる結線と最適な工具を確認

電線同士の結線方法には、圧着スリーブコネクタの使用という2つの主流な手法があります。圧着スリーブを用いた方法はコスト効率が高く、特に多くの結線作業が必要な施工業者にとっては、非常に重宝される技術です。このセクションでは、圧着スリーブとそれに適した圧着工具の組み合わせについて詳しく解説します。

また、ワンタッチコネクタを用いた結線方法についても別記事で取り上げていますので、施工効率の向上を図りたい方はそちらも合わせてご覧ください。

最も使用頻度が高い「リングスリーブ」

圧着式の中でも最も使用頻度が高いのがE形ともよばれる「リングスリーブ」です。圧着後には厚さ0.2mm以上のビニールテープを2回(4層)以上巻くか、自己融着テープを1回(2層)以上巻いてその上に保護テープを半幅以上重ねて巻き絶縁処理を施してください。圧着には黄色グリップの裸圧着スリーブ専用の圧着工具(商品コード:AK17A・P-738など)を使用してください。

リングスリーブの写真

リングスリーブはそれぞれ1箱(100個入)から当日出荷可能です。

品番 同じ径の単線組合せ(本) 圧着工具
 1.6mm 2.0mm  2.6mm 
E-S 2~4 2  – AK17A
E-M 5~6 3~4 2
E-L 7 5 3

 

電線の延長には「B形スリーブ」

「B形スリーブ」は電線の延長などで使用されます。本稿でご紹介する商品の中で唯一突き合わせ方式になっており、同じ径の電線もしくは同じ断面積の電線どうしの接続にのみ使用可能です。なお、裸、絶縁被覆付、防水形でそれぞれ使用する圧着工具が異なるため注意が必要です。

裸圧着スリーブ

裸タイプのため、絶縁が必要な場合には被覆付を使用する必要があります。圧着工具はMH-14AK1MA2などを使用できます。赤いグリップを目印にお選びください(グリップ色=裸圧着端子に使える、ではないのであくまでも目安に!)

裸圧着スリーブ(B形)の画像

裸圧着スリーブ(B形)はそれぞれ1箱(100個入)から当日出荷可能です。

品番 電線抱合範囲 圧着工具
 単線(mm) より線(mm²)  AWG 
B1.25 0.57~1.44 0.25~1.65 22 – 16 AK1MA2

MH-14

P-704

B2 1.14~1.82 1.04~2.63 16 – 14

 

絶縁被覆付圧着スリーブ

絶縁圧着スリーブ(B形)の写真

絶縁被覆付圧着スリーブ(B形)はそれぞれ1袋(100個入)から当日出荷可能です。

品番 電線抱合範囲 圧着工具
より線(mm²)  AWG 
TGVB-1.25 0.3~1.65 22~16

MH-032

TGVB-2 1.04~2.63 16~14

 

防水形圧着スリーブ

防水性を求められる場所で結線をする場合にはこの防水形圧着スリーブが適しています。突き合わせの圧着までは同じ手順ですが、最後にヒートガンなどで表を120℃程度で加熱することで高い防水性を発揮します。

防水圧着スリーブの写真

防水圧着スリーブはそれぞれ1袋(100個入)から出荷可能です。

品番 電線抱合範囲 圧着工具
より線(mm²)  AWG
SB2218 0.3~0.5 22~20

NH82A

SB1816 0.75~1.25 18~16
SB1614 2.0 14
SB1210 5.5 10

異なる断面積の電線の圧着には「P形スリーブ」

「P形スリーブ」は重ね合せ式で異なる断面積の電線でも圧着でき、リングスリーブに似ています。ただし、より線専用である点には注意が必要です。より線の断面積の合計が下表の電線抱合範囲に収まるように選定してください。圧着はB形同様、絶縁の有無で使用する圧着工具が変わります。

(0.75mm²を1本と0.5mm²を2本合わせる場合には 0.75 + 0.5 + 0.5 = 1.75mm² なのでTGVP-2Tを選びます。)

 

P形スリーブの写真

絶縁被覆付圧着スリーブ(P形)はそれぞれ1袋(100個入)から出荷可能です。

品番
電線抱合範囲 圧着工具
より線(mm²)  AWG
TGVP-1.25T 0.3~1.65 22~16

MH-032

TGVP-2T 1.04~2.63 16~14

 

まとめ

本稿では、結線に使用する圧着スリーブの中からリングスリーブB形スリーブP形スリーブに焦点を当ててご紹介しました。接続したい電線に適した圧着スリーブを使用することはもちろん重要ですが、絶縁被覆付圧着スリーブに裸圧着スリーブ用の圧着工具を使用するなど、正しい圧着工具以外での作業は圧着能力不足で焼損事故にもつながりかねません。正しい圧着工具で作業をするようにしてください。

※この記事は2024年4月22日に公開いたしましたが、校正を行い2025年10月15日に公開いたしました。

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寺島 佳希

業務部所属。皆様の施工のお役に立てるような部材をご紹介します。
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