
膨張タンクのメンテナンス・交換を劇的に効率化!【膨張タンク接続ユニット】
養生いらず!現場を汚さずクリーンなメンテナンスを実現
膨張タンクのメンテナンスや交換を行う際、最も面倒なのがタンク内部の循環水を空にする作業です。一般的に、循環回路と膨張タンクの間に設けられたバルブを閉め、循環水の流入を止めた後、膨張タンクに接続されているネジをゆっくり緩めて取り外します。この際、外したネジ部からタンク内の循環液がダラダラとあふれてしまうため、大規模な養生が必須となります。現場を汚さないように細心の注意を払い、多大な労力を費やさなければなりませんでした。
その点、「膨張タンク接続ユニット(品番:558050)」を事前に設置しておけば、この問題は解消されます。ユニットには排水機構が備わっているため、大掛かりな養生は不要です。ウエスとバケツ1つあれば、循環水の排出作業をクリーンかつスムーズに行うことが可能になります。
接続ユニットの箱の中には4つの部品が入っている

箱を空けると4つの部品が現れる。
「膨張タンク接続ユニット(品番:558050)」の箱を開けると、そのシンプルさに驚くかもしれません。「膨張タンク接続ユニット(品番:558050)」は、以下の4つの部品で構成されています。
- バルブ本体
- 誤操作防止用キャップ
- 針金
- ブッシング
これらの部品が一体となって機能することで、メンテナンス時の排水作業を最小限の手間で安全に完遂できます。
品番 | ねじ |
558050 | G3/4 |
1、循環配管にバルブ本体をねじ込む

写真左手前を循環回路側に接続します。
「膨張タンク接続ユニット(品番:558050)」のメスねじ側を循環回路へねじ込みます。なお、規格はユニオン構造ではないG3/4ですので、「変換ニップル(品番:BRN-20GR)」を用いると接続しやすいと思います。また、ここには「無溶剤型シール剤(品番:F-3W)」などを塗布して接続します。
2、誤操作防止キャップをはめて針金を通す

バルブはマイナスドライバーやモンキーレンチで開閉することができます。

普段は誤操作を防ぐため、キャップとそのキャップにある小さな穴に針金を通しています。
バルブ操作部はマイナスドライバーで開閉できる仕様になっていますが、誤って開閉して密閉式冷温水空調システムの安定した運転を妨げる恐れがある為、誤操作防止用のキャップと針金を通して固定します。
ブッシングを膨張タンクにねじ込みバルブ本体と接続

付属のブッシングを膨張タンクに取付けてから本体を接続してください。
まず、付属のブッシングを膨張タンクにねじ込みます。ここにはシール剤やシールテープを使用します。そして袋ナットになっている「膨張タンク接続ユニット(品番:558050)」本体と組合わせるだけで接続が完了します。
止水バルブと排出バルブで簡単・スピーディーに排水
循環回路と膨張タンクを遮断するには、まず誤操作を防止用の赤色のキャップとヒモ(針金)を外します。するとマイナスドライバーで開閉できるバルブ操作部が現れます。赤色のキャップを外しマイナスドライバーなどで「膨張タンク接続ユニット(品番:558050)」の内部のボールバルブを回転させることで循環回路から膨張タンクへの循環水の流入を止めます。そして左側にある黒色のツマミを緩めることでタケノコ部分から膨張タンク内の循環水が排出されます。現場を汚すことなくツマミを2つ操作するだけで排水作業ができます。
循環回路と膨張タンクを遮断し、排水を行う手順は以下の通り、非常にシンプルです。
- 誤操作防止キャップと針金を外す
- キャップを外すと、マイナスドライバーなどで開閉できるバルブ操作部が現れます。
- マイナスドライバーなどでユニット内部のボールバルブを回転させ、バルブを閉じます。これにより、循環回路から膨張タンクへの循環水の流入を完全に止めます。
- 次に、ユニットの左側にある黒色のツマミを緩めます。
- ツマミを緩めると、タケノコ状の接続部から膨張タンク内に残っていた循環水が排出されます。
このユニットを介せば、ツマミを2つ操作するだけで、現場を汚すことなく安全に排水作業が完了します。大掛かりな配管の取り外しや、大量の水の処理に悩まされることなく、メンテナンスやタンク交換をスピーディーに実施できるのです。
まとめ
密閉式冷温水空調システムにとって欠かせない膨張タンクですが、そのメンテナンスや交換作業は、循環水を排出する手間から、これまでは非常に煩雑な作業でした。
しかし、本稿でご紹介した「膨張タンク接続ユニット(品番:558050)」を膨張タンクと共に設置すれば排出する循環水を最小限にとどめ、ウエスとバケツ1つで安全かつスピーディーにメンテナンスやタンク交換を行うことができます。
現場の作業効率向上と安全性の確保に大きく貢献する、まさに膨張タンクメンテナンスの必須アイテムと言えるでしょう。
※このブログは2022年9月に初回公開いたしましたが、2025年9月26日に再度公開いたしました。

大宮彰大

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