
エコキュート連絡配管はコレで決まり!実績No.1の架橋ポリエチレン管「HCシリーズ」
なぜHCシリーズがヒートポンプ配管に最適なのか
ヒートポンプ配管における共通の問題点は耐熱性能です。特に、往き側の出湯温度が非常に高くなり得るため、従来の給湯設計温度を想定した樹脂管では、加速度的に劣化が進み、漏水や内面剥離などのトラブルが頻発していました。このような背景を受け、エコキュートメーカーが公式に承認している架橋ポリエチレン管は三菱ケミカルインフラテック社製の「HCシリーズ」のみとなっています。
「HCシリーズ」の性能と技術特長
HCシリーズの特長は、その卓越した耐熱性能です。通常の樹脂管が高温での使用により劣化しやすいのに対し、HCシリーズはCO2ヒートポンプの要求にこたえる設計を有しており、高温環境下でも性能を維持します。
先述の通り、本シリーズはエコキュートメーカーからも公式に承認されており、その信頼性と安全性は折り紙付き。劣化や形状の変形が極めて少ないため、長期間にわたって安心して使えて、メンテナンスコストの削減も期待できます。
施工時にも、運用中にもメリットが!
HCシリーズは、施工性と運用中の安定性という点でも大きなメリットを有します。
まず施工においては、その柔軟性と耐久性により、狭所や複雑な配管ルートでも施工がぐっと楽になります。配管の取り回しや接続作業に余計に頭を悩ませることなく、効率的な作業が可能です。
安定性の面においては、振動や地震に強いのも大きな利点です。ヒートポンプシステムなどの機器から発生する震動は、経年により配管システムに損傷を与える可能性があります。しかし、HCシリーズは振動に対して高い耐性を持っており、機器の正常な運転を長期間ささえることができます。また、機器自体の振動のみならず、日本のように地震が頻発する地域においては、振動に強い配管を選んで損傷リスクを抑えることが重要です。
HCシリーズのラインナップ
邸別管理できる「ヒートポンプ配管セットPEX」
「ヒートポンプ配管セットPEX」は、各現場に必要な配管、継手、ケーブルなどを一式セットにした製品です。セットに含まれる架橋ポリエチレン管の断熱材には、エコキュート用に開発された高耐候性被覆が使用されており、紫外線による劣化から断熱性能の低下を防ぐことができます。
個別に部材を手配するよりも邸別管理や見積作成がカンタンなうえ、このセットを利用することで、部品の拾い出しの手間や、邸別の仕分けの必要がなくなります。
品番 | 仕様 | 配管長 |
ECO-PEX3BT | 10A(保温厚10㎜) | 3m |
ECO-PEX5BT | 5m | |
ECO-PEX3BTK | 10A×(保温厚20㎜) | 3m |
ECO-PEX5BTK | 5m |
取付工事の頻度が高い方に人気のある長尺タイプ
設置作業が頻繁にある方には、長尺の巻物タイプがオススメです。特に、戸建住宅向けには搬送が容易な25m巻が、集合住宅や複数の設備を短期間に設置する場合には50m巻が好まれています。ただし、配管セット付属する継手やVVFケーブルは別途調達が必要となる点に留意してください。
品番 | 呼び径 | 保温材厚 | 被覆色 | 長さ |
HC-10HON10-T | 10A | 10㎜ | アイボリー(高耐候性) | 25m |
HC-10HON10B | 10A | 10㎜ | ブルー | 25m |
HC-10HON10P | 10A | 10㎜ | ピンク | 25m |
HC-10HON10B50 | 10A | 10㎜ | ブルー | 50m |
HC-10HON10P50 | 10A | 10㎜ | ピンク | 50m |
HC-10HON20-T | 10A | 20㎜ | アイボリー(高耐候性) | 25m |
HC-10HON20B | 10A | 20㎜ | ブルー | 25m |
HC-10HON20P | 10A | 20㎜ | ピンク | 25m |
HCシリーズ使用時の注意点と解決策
紫外線による劣化
HCシリーズ以外の架橋ポリエチレン管にも言えますが、屋外で使用する際は、脆化が促進してヒビ割れが発生し漏水してしまうため必ず紫外線劣化防止処置をしてください。高耐候性の被覆保温材が付いた「架橋ポリエチレン管(品番:HC-10HON10-T)」を使用する、「高耐候性のテープ(品番:EWD-5010)」を保温材に巻き付ける、スリムダクトなどの化粧カバーに収納するなどの対策が挙げられます。
曲げ半径の制限
架橋ポリエチレン管は柔軟性が高いものの、最小曲げ半径は150㎜を超えないように注意して配管を行ってください。どうしてもタンク下などで小さく曲げなければならない現場には、「アルミ三層管(品番:UPC10-HONT10)」や「エコるーぷ(品番:EL10AH10-20)」をオススメします。
熱膨張による影響
架橋ポリエチレン管は、温度変化による伸縮を考慮して施工する必要があります。特にエコキュートは、熱媒の二酸化炭素を約90℃の高温にして熱交換を介して貯湯タンクの水を温める熱交換サイクルを繰り返すため、沸き上げ最中の湯は非常に高温で架橋ポリエチレン管は伸び、運転停止時は温水が冷めるため縮みます。架橋ポリエチレン管が伸びて保温材から露出してしまった場合、紫外線が管に直接照射し劣化する恐れがありますので「継手用保温材(品番:WJ3H-13)」などを利用して長さ方向に余裕を持った断熱処理を行う必要があります。
継手の選択
継手の不適切な選択は、漏水や機能不全の原因となり得ます。HCシリーズを使用する際は、「袋ナット付アダプタ(品番:KJ18-1310C-S)」、「エルボソケット(品番:KL3-10C-S)」が適しています。オンダ製作所製の「ダブルロックジョイント」も同一設計ですが、管と継手のメーカーを揃えておくと万一の場合も対応がスムーズに行われます。
まとめ
ヒートポンプ配管への採用が増えつつある架橋ポリエチレン管。熱収縮という外観上の問題はあるものの、耐食性、運搬性、耐震性、そしてコスト面での優れたメリットがあり、配管があまり見えない場所に設置するエコキュートには最適です。なかでも「三菱ケミカルインフラテック社製のHCシリーズ」は、エコキュートメーカーからも公式に承認された折り紙付きの性能ですから、最も適した選択と言えるでしょう。
※この記事は2019年10月15日に公開した記事ですが、校正をくわえて2025年8月21日に再度公開いたしました。

佐々木 克仁

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