ガス用ゴム管の選択ガイド-十川ゴム製品の特徴と選び方

2025年3月末をもって、長年業界をリードしてきたダンロップ製ガス用ゴム管が全て生産終了となることが正式に発表されました。これにより、施工業者の皆様は新たな選定基準を求められることになります。本稿では、現在市場で主力となっている十川ゴム製のガス用ゴム管の特徴について解説します。

ガス用ゴム管の選定基準

ガス用器具とその接続部品の選定は、安全性と利便性の両面で重要です。特に、テーブルコンロやガス炊飯器などの移動設置型のガス器具においては、適切なLPガス用ゴム管および都市ガス用ソフトコードの選択が不可欠です。

梱包仕様の違いが保管効率と運搬性に与える影響

JIS規格+α(LIAとJIAの検査認証)を満足しているガス用ゴム管およびソフトコードにおいて、外観や耐用年数に大きな違いはありません。しかし、梱包仕様の違いで保管効率や携帯性に差が出ます。

十川ゴム製のガス用ゴム管の特徴

十川ゴム製のガス用ゴム管(ソフトコード)は1巻から当日出荷です。

十川ゴム製のガス用ゴム管およびソフトコードは、取出口付きのN式段ボール箱で提供されており、携帯性と使い勝手に優れています。必要な長さだけを取り出せるので、ホースが絡まったり汚れたりすることなく、使用後も同じ場所にきれいに保管できます。なお、N式段ボール仕様は、「LPガス用ゴム管(商品コード:GH-LP50)」「都市ガス用ソフトコード(商品コード:NSG-930)」「都市ガス用ソフトコード(商品コード:NSG-1330)」といった全長30m(LPG50m)仕様に限られておりますのでご了承願います。

商品コード ガス種 内径 全長 梱包仕様
NSG-930 都市ガス φ9.5 30m N式段ボール
NSG-910 φ9.5 10m 袋入り
NSG-905 φ9.5 5m 袋入り
NSG-903 φ9.5 3m 袋入り
NSG-1330 φ13 30m N式段ボール
NSG-1310 φ13 10m 袋入り
NSG-1305 φ13 5m 袋入り
NSG-1303 φ13 3m 袋入り
GH-LP50 LPガス φ9.5 50m N式段ボール
GH-LP10 φ9.5 10m 袋入り
GH-LP5 φ9.5 5m 袋入り
GH-LP3 φ9.5 3m 袋入り

 

ガス種による色の違いと構造上の違い

LPガス用:オレンジ色 都市ガス用:薄ピンク色

LPガスと都市ガスでは、成分、圧力、熱量が異なるため、それぞれのガス種に適合した構造のガス用ゴム管が必要です。具体的には、これらのゴム管は内面ゴム層、中間ゴム層、外面樹脂層の3層構造を有しています。内層では、都市ガス用のソフトコードがメタンに、LPガス用ゴム管がプロパンに対して侵されないように設計されています。中間層は、それぞれのガス圧に応じた引張り強さを有しており、外層は耐候性及び耐食性を保証しています。特に、LPガス用ゴム管は、都市ガスに比べて圧力が1.3~2倍、熱量が2倍以上も高いことを考慮した設計になっています。このため、ガス種に適合したホースの使用と耐用年数での交換が重要です。また、LPガス用はオレンジ色、都市ガス用は薄ピンク色と色分けされており、ガス種の識別を容易にします。

なお、すべてのLPガス用ゴム管、ソフトコードには安全バンド(ホースバンド)が含まれていないため、これらを別途購入する必要がありますのでご留意ください。

まとめ

JIS規格+α(LIAとJIAの検査認証)を満足しているLPガス用ゴム管、ソフトコードは、外観や耐用年数に大きな違いはありません。しかし梱包仕様の違いで保管効率や携帯性が異なりますので、商品選定の際は梱包仕様を確認することをオススメします。

※この記事は2021年5月12日に公開しましたが、ダンロップ製ゴム管の生産終了に伴い、記事を修正し2025年5月21日に再公開しました。

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寺島 佳希

業務部所属。皆様の施工のお役に立てるような部材をご紹介します。
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