
塩ビ管から架橋ポリまで。RMモールは屋内外問わず露出配管カバーの定番部材です。
※この記事は2020年7月17日に公開した記事ですが、校正し直し2021年12月23日に再度公開しました。
様々な管種とサイズに対応している「RMモール」
本体に耐候性のあるAES樹脂を採用し、屋内外兼用を実現した高性能な配管化粧カバー未来工業の「RMモール」。発売当初から、給水給湯に使用される様々な管種に対応していましたが、あらたに40Aを追加し13A、20A、25A、40Aの4サイズ展開に拡大し他社を圧倒しています。これらをうまく使うと、露出配管工事の幅が広がり、ユーザーが生活しやすい空間を生み出せます。

図1:塩ビ管から樹脂管まであらゆる管種に対応している「RMモール」
「RMモール」のメリットとは?
結露を防止する
露出配管を化粧する際に美観が良いのは当たり前です。しかし、単純な見た目だけでなく、結露による内装材の汚れやカビの発生に悩まされるユーザーも少なくありません。RMモールでも4㎜厚の断熱材があらかじめ組み込まれているタイプなら、VP管やHIVP管といった裸の塩ビ管でも結露発生のリスクを低減できます。サイズは(HI)VP13はRM-13サイズ、(HI)VP20はRM-20サイズ、(HI)VP25はRM-25サイズ、(HI)VP40はRM-40が適合します。なお、架橋ポリエチレン管やポリブデン管の裸管については、13Aに限りRM-13サイズに収めることが可能です。
もちろん、保温材付きの架橋ポリエチレン管やポリブデン管にも対応しております。保温材厚5mmの場合、13AはRM-20サイズ、16AはRM-25サイズ、25AはRM-40サイズが適合します。
また、直管用のRMモールだけでなく、エルボやソケットといった継手を収める壁カバーや曲がりといった継手用のRMモールにも断熱材が組み込まれています。細部にこだわりたい施工業者様もきっとご満足いただけるはずです。
継手を減らし漏水リスクを抑制できる
屋内配管で最も避けたいのが漏水トラブル。その対策は、接続部である継手を減らすことが最も効果的です。架橋ポリエチレン管やポリブデン管といった樹脂管に限られますが、「RMモール 大曲がり(断熱材付)」を使用すれば、曲げ部でも継手を使わず配管することができます。

図3:「配管モール大曲がり(断熱材付)(品番:RMM-13MXL)」であれば、13Aの架橋ポリやポリブデン管を裸で配管できます。
カバー部や配管の脱着に工具がいらない
カバー部とベース部は、工具を使用しないツメかん合なので、構造を知れば脱着はカンタンです。配管はベース部のU字配管受けに挟むように押し込んで固定してください。パイプホルダー式と異なり、架橋ポリエチレン管やポリブデン管に通湯して伸縮した際でも固定ピッチ間における配管のたるみが抑えられます。水圧検査やメンテナンス時には、カバー部を取り外した状態で目視確認できるだけでなく、問題が発生した部分の配管を手で引き出すことも可能です。

図4:「配管モール曲がり(断熱材付)(品番:RMM-13M)」のような継手用パーツであってもベース部には小さいU字形溝で継手を受けます。カバー部に仕込まれているツメがU字形溝の両端に引っかかる構造ですので、取り外す際はカバー部を拡げるようにしてください。
施工方法は超カンタンの3ステップ
「RMモール」の施工方法は、以下3工程でとてもカンタンです。住宅はもちろんですが、飲食店であっても閉店後の僅かな時間に配管することができるのです。
- 配管経路を決めてベース部をビス固定
- U字配管受けに配管をはめ込む
- カバーを被せる

図5:全種類、全サイズともにカバーとベースが分離しているので、メンテナンスも容易です。
13Aの樹脂管には注意が必要
「普段使っている樹脂管継手は「RMモール」に収まる?」そんなお問い合わせが多く寄せられます。施工業者様がいつもお使いいただいている継手が使えるのかを確認したのが以下の表です。※2021年12月23日時点
RMモール13サイズを使う場合は未来工業製の継手しか使えない
特にご注意いただきたいのは、継手カバーの13サイズには未来工業製の継手しか収まらないという点です。よって、架橋ポリエチレン管やポリブデン管の13Aの裸管で配管する現場で、RM-13サイズを使用する場合は、未来工業製のワンタッチ式「SLJ-13A」、または圧着式「WLJ-13A」および「JLJ-13A」から選択しなければなりません。ただし、「専用工具が必要」「RMモール限定」といった点から安易に選択することはオススメできかねます。
オススメはRMモール20サイズに樹脂管13Aの5mm被覆を使う
モール(ストレート) | 適合管外径 | 架橋ポリ(裸管) | 架橋ポリ(5㎜被覆) | 架橋ポリ(10㎜被覆) |
RM-13サイズ | φ18 | HC-13 | ー | ー |
RM-20サイズ | φ26 | HC-13・HC-16 | HC-13HON5P・B | ー |
RM-25サイズ | φ32 | ー | HC-16HON5P・B | HC-13HON10P・B |
※RM-20MにHC-13・HC-16のような裸管をお使いの場合は、別売のアタッチメント(13用:RM-13SP、16用:RM-16SP)が必要です。
いつもお使いの継手をご使用になる場合は、13AであってもRM-20サイズを選定してください。ベストパーツのオススメは「パイプを保温付エスロペックス(5mm保温)、継手をエスロカチットSで配管し、RM-20サイズに収める」パターンです。また、寒冷地においては、屋外配管を「保温材付エスロペックス(10mm保温)+エスロカチットSで配管してRMモールの25サイズに収めるとよいでしょう。
ただし、継手を多用している現場では圧力損失が大きく水圧不足に陥る可能性が高いので、継手をオンダ製作所の「ダブルロックジョイントRevosシリーズ」に置き換えてください。「Revosシリーズ」は、広い流路を確保してあり圧力損失を抑制できるメリットがあります。
まとめ
水回りの移設や増設をする場合、屋内外に使えて結露対策が施されている未来工業の「RMモール」をオススメします。ただし、RMモール内部の結露対策用断熱材は厚みが4mmしかありませんので、屋内配管であっても保温材5mm厚の保温付エスロペックスシングル(5mm保温)を使用するのが妥当です。その場合、RM-20サイズをお使い下さい。継手はコスト優先ならエスロカチットSをオススメいたしますが、増設工事では水圧不足が常ですから、管相当長を93%も低減できる驚異の低圧損継手「Revosシリーズ」を選ぶのも一計の価値があります。

佐々木瞭
2018年より営業部に所属し、分類は配線器具・設置固定を担当しています。
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