現場状況に合わせた４つの設置パターンから選定する

問題となっている現場の状況を把握するのはもちろんですが、こちらのブログで公開している「事前に知っておきたいポイント」を抑えて、以下のフローチャートに従って選定しましょう。

１．エコキュート・高圧力電気温水器の給湯圧力が低い場合

給湯配管が長い（給湯器から蛇口まで距離がある）場合や、上階での使用で発生することが多い事例です。この場合は熱源機の2次側に『給湯加圧ポンプ』を設置します。

２．ガス給湯器・直圧式ボイラーの給湯圧が低い場合

直圧式給湯器にも関わらず、貯水槽など1次側を水道直圧で繋ぐことができない場合、2次側の給湯圧が低くなります。この場合は給湯器の1次側に『給湯加圧ポンプ』を設置します。

３．業務用熱源の給湯圧が低い場合

業務用熱源機の給湯圧が低い場合は、2次側に『給湯加圧ポンプ』を設置します。ここでの重要なポイントは一次側の配管径が30A以上であるかどうかです。配管径が小さい場合、ポンプが要求する吸込み量に対して、水量が確保できず、ボイラーや給湯加圧ポンプを損傷してしまう恐れがあるからです。

４．電気温水器・減圧式ボイラーの給湯圧が低い場合

この場合は、水道圧を貯湯タンクに入れる前に減圧しているので、給湯器の2次側に『給湯加圧ポンプ』を設置します。

【三相電機製】給湯加圧ポンプ商品一覧

三相電機製の給湯加圧ポンプは口径や仕様の異なる10機種をラインナップ。1台から出荷手配可能です。

給湯加圧ポンプ（圧力スイッチ・流量スイッチ併用式）

SHC-1511B2は当日出荷可能です。背景が水色の商品は最短で翌日出荷が可能です。

SHC-1031・SHC-1511はシールレスタイプ、SHC-2021・2521はメカニカルシールタイプです。シールレスタイプはポンプ部と接続部のシールがなく、液漏れを防ぎ、メンテナンス性に優れています。メカニカルシールも液漏れを防ぐのに優れた構造ですが、摩耗する部品があるため、長期使用後は定期点検をお勧めしています。

なお、SHC-1031・SHC-1511はエコキュートの中でも出湯能力10L/min未満になる機種や200kPaを上回る高圧力タイプには使用できない点に注意が必要です。

給湯加圧ポンプ（流量スイッチ式）

SHB-2021・2521はメカニカルシールタイプです。

まとめ

『給湯加圧ポンプ』は、一般的なポンプと異なりスイッチまでユニット化されているため、施工や調整は難しくありません。ただし、意図どおりに機能を発揮させるためには現場状況に応じた適切なポンプの選定が欠かせません。必要流量や揚程を確認し、フローチャートに沿って最適なポンプを選定しましょう。人気の給湯加圧ポンプ『SHC-1511B2』についてはこちらのブログでも詳細をご覧いただけますので、ぜひご一読ください。

※2022年6月8日に公開された記事を校正し、2024年5月23日に再度公開しました。