
アンカー打込み作業がつらいときは「アンカー打込み機」が便利です。
今回は「集合物件でエコキュートの取付をしていますが、タンクを固定するためのアンカーを打ち込む本数が多く大変です。何かラクに作業完了できる方法はありますか?」というご質問にお答えしていきます。
確かに、最近の集合物件は300世帯を超える現場が増えてきています。全ての貯湯タンクの固定に必要なアンカー本数は、1台あたり3~4本だとしても千本を優に超えます。それを全てハンマー(手作業)で打ち込むと思うとちょっと気が滅入りますよね…。
そんな時に作業がラクになる、専用工具を使用した施工方法をご紹介したいと思います。
下穴までは従前同様の作業
打込み系アンカーを施工する際は、まず「下穴を開ける」ことから始まります。穴の位置決めをし、コンクリートドリルとハンマードリルで規定深さまで穴あけし、ダストポンプで切粉を穴から取り除けば下穴の施工は完了です。(余談ですが現在はダストポンプの代わりに充電式のハンディクリーナーを使われる方も多いようです)
ここまでは現状どんなケースでも同じ工程を踏むことになる為、作業の簡略化はできません。
従来は「ハンマー」で打ち込む
では、打ち込み作業の場合はどうでしょうか?従来、打ち込み作業にはハンマーを使用します。専用品も用意されておりますが、一般的なプラスチックハンマーでも作業できます。作業自体は単純で、下穴に差し込んだ打ち込みアンカーの芯棒の頭をハンマーで叩き、頭の部分がねじ部に密着すれば施工完了です。打込む本数が少なければこの作業に疑問は持ちませんが、多くなった場合はちょっと大変です。
M10サイズまでなら「マシンホルダー」
まずはアンカーサイズがM10以下の貯湯タンクの場合、マシンホルダーを活用してください。マシンホルダーとは、軽量ハンマードリルと組み合わせて使用する専用の打ち込み用工具でサンコーテクノ様から発売されております。施工時間の短縮はもちろん、特に狭所や連続作業の際に威力を発揮します。

サンコーテクノ株式会社 様 マシンホルダー資料
マシンホルダーの使い方がメーカーの動画でアップされておりますので参考にしてみてください。
M12サイズ以上なら「アンカー打込機」
では、エコキュートのM12サイズの打ち込みアンカーはどうやったら打込み作業がラクになるのでしょうか?答えは「アンカー打込み機を活用する」です。アンカー打込み機とは、オールアンカー専用の電動油圧マシン。「プッシュナット」という治具をアンカーにセットし下穴に挿入すると、油圧の力でアンカーを押し込み約3秒で施工が完了するという優れものです。油圧なので打ち込む音もせず、またヘッド部が回転するので狭い場所でも施工が可能です。さらに、角部やアンカー位置上部に障害物がある場合でも、L型ヘッドの打込み機を使用すれば何の問題もなく簡単に施工できます。バッテリー式のコードレスタイプも用意されておりますので、100Vが確保できない場合でも対応可能です。唯一ネックなのは価格で、どれも10万円オーバーと気軽に手を出せる金額ではないのが残念なところですが、打ち込む本数が多い場合は検討の余地アリです!
アンカー打込み機の施工動画がメーカーよりアップされておりますのでご確認下さい。
まとめ
現場での職人の高齢化や労働力不足が叫ばれる中、作業の効率化や省力化が求められております。ラクに、早く、安全確実な施工ができる専用の工具も、検討の余地があるかもしれません。現在は「ツールシェア」という選択肢もございますので、そのタイミングが来たらご検討頂ければ幸いです。
ベストなパーツでは、施工業者様の住宅設備部材に関わる小さな疑問やお困りごとの解決のお手伝いをさせて頂きます。

佐々木 克仁

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