浸透性が高い不凍液。シール剤はどれ使う?

冷温水システムに施工が楽な給水給湯用のワンタッチ継手を使いたいという施工会社様がいらっしゃいますが、数年前から継手メーカー各社が不凍液への使用を禁止しています。

浸透性が高い不凍液

ワンタッチ継手メーカーが不凍液の使用を禁止する背景には、グリコール系溶剤である不凍液は水に比べ浸透性が高いうえに、防錆や防腐などを目的に添加された配合剤がワンタッチ継手のシール性能を担保するゴムや樹脂の粘弾性や老化性の劣化を促進して漏水する可能性があるからです。

不凍液に使える5つのシール剤

ねじ側も同様、不用意に手持ちのシール剤を使った場合、密度が低ければグリコール系溶剤の不凍液が浸透したり、耐薬品性が低ければシール剤が膨潤や溶解の方向に行きにじみ漏れたりするので、日ごろから不凍液に使えるシール剤を使うようにしておくに限ります。

施工後に戻せる無溶剤型シール剤 F-3W

ヘルメチックのブランド名で販売している無溶剤型シール剤。

「F-3W」は、不凍液の主成分であるエチレングリコールやプロピレングリコールに侵される心配がなく、もっとも不凍液に適したシール剤です。揮発成分が含まれていない無溶剤型のF-3Wは、空気中の水分と結合して硬化していき、硬化後はゴムのような弾力のある状態になります。

揮発成分がないため密度が高く、大気汚染やシックハウス症候群等の疾病を招く恐れがないという点が無溶剤型の魅力。ただし、硬化時間は25℃で8~12時間程度掛かりますので、施工後の漏洩検査は翌日以降に行うことを推奨しております。

さらに、日本水道協会規格(K-142・K-146)、日本工業規格(JIS K-6820)などの規格を取得しているので、不凍液のみならず、給水給湯、都市ガスなど幅広くお使いいただける塗るシール剤です。

振動する機器の周辺に使いたい無溶剤型嫌気性シール剤「5651-250」

無溶剤型の嫌気性シール剤「ロックタイト5651シリーズ」は振動に強い

ロックタイトは世界有数のシール剤メーカーであるヘンケルのブランドです。ランナップは豊富にありますが、金属配管のシール剤の定番は嫌気性シール剤「5651-250」は、振動や衝撃に強いという特徴を持っているため、循環ポンプ、エコウィル、GHPなどの周辺に最適です。

「嫌気性」とは「空気(酸素)の遮断」によって、硬化が始まることを意味しています。金属配管のシール剤というカテゴリー名にも意味があり、嫌気性シール剤は金属との接触がないと硬化しないのです。

「5651-250」はテフロン(PTFE) 入りなので、組み付け直後のシール性も良好で施工時間を短縮できて便利です。ただし、常温でも硬化が早いため施工直後でもやり直しは大変な作業になることを忘れずにご利用ください。

使用期限を気にしなくていいシールテープ

液状のシール剤は使用期限管理を必要としますが、シールテープはその必要がないのが魅力。シールテープでも不凍液に対応しているものがあります。

ベストパーツオリジナルのシールテープはコストパフォーマンスが抜群!

バルカー製の 水、水蒸気、油、化学薬品など、幅広い流体の継手用シールテープ

幅広い用途に使用できる万能なシールテープ

中でもスリーボンド製の「4501」は不凍液、水、油、水蒸気、天然ガス、プロパンなど多くの流体に使用することができるシールテープです。切っていただければわかる密度の高さはシール性の高さであり、設備工事業者様へオススメの一品です。

CT-15J」と「VALQ-15」は、不凍液、水、油、水蒸気には使用できますが、可燃性ガスのシール剤としては推奨されていませんので使わないでください。

ただし、シールテープは経年でやせていく傾向にあり、振動や衝撃が加わればにじみ漏れが始まりますので、要求寿命が長い設備の場合はオススメできかねます。

まとめ

不凍液は浸透性が高く漏水が発生しやすいうえに、防錆防腐目的で配合された添加剤がゴムや樹脂の劣化を促進する可能性があるため、必ず不凍液に適応したシール剤をご利用ください。

硬化時間が長いため施工直後なら容易に取り外したりバルブの向きを変えたりできる「F-3W」が、最も施工が容易でシール性も高いと言えます。ただし、漏洩検査を施工後すぐに実施したい場合や、振動や衝撃が加わる配管の場合などは、嫌気性の「5651-250」が最適です。

なお、設備の要求寿命が短い場合に限り、シールテープのうち「4501」、「CT-15J」、「VALQ-15」であればお使いになっても構いません。

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大宮彰大

大宮彰大

営業部所属:ベストパーツ株式会社
2008年入社(31歳)
温水暖房分野を担当し2013年4月完成のベストパーツ株式会社社屋の冷暖房部材選定を行う。
MAIL:omiya.shota@best-parts.jp
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