部品だけの交換OK!メンテナンス性◎の「温水式床暖房熱動弁」
配管を触らずアクチュエーターと弁体だけを交換
熱動弁に採用されているオンオフ制御には、“オーバーシュート”と“アンダーシュート”を繰り返す「ハンチング」を起こし、制御量が一定にならないという欠点があります。しかし、温水温度の制御に限ればそれほど大きい問題ではなく、むしろメンテナンス頻度を下げるメリットを評価され、世界中で熱動弁が当たり前に採用されています。
とはいえ、アクチュエーター部の劣化や、バルブ内の弁に異物が詰まる、そして作動回数の累積による弁の摩耗といったことを原因に、止水不良が発生します。
しかし、一般的な熱動弁は、バルブ部のストローク長とアクチュエーター部の作動距離を合わせるために一体化されているため、どちらか一方の不調であっても丸ごと交換しなければなりませんでした。従来の熱動弁のこうした課題を解消し、メンテナンス性を飛躍的に向上させたのがソーワエンジニアリング社の熱動弁です。
部品のみの交換OKな床暖房用熱動弁
本体上部に熱動弁接続用のおねじが設けられている
「HAC-110専用バルブ本体」は、温水暖房回路で「アクチュエーター部(商品コード:HAC-110)と組合わせて使用することを前提に作られています。よって、本体上部には熱動弁接続用のおねじ(呼び M:M30X1.5)が設けられており、手締めナットで取り付けられます。バルブは常時開放状態にあり、アクチュエーターを取り付けるとバルブ内部の弁受けに弁体(コックアッシ)を押しつけ閉止、アクチュエーターに通電すると開放状態になります。よって、万が一アクチュエーターが故障した場合は、取り外していただくことで強制的にバルブを開放して温水を循環させて緊急対応することができます。
| 品番 | 口径(呼び) |
| VAL152 | Rc1/2(入口・出口) |
| VAL202 | Rc3/4(入口・出口) |
流体圧力は1.0MPa、差圧は0.2MPaまで対応
「HAC-110専用バルブ」は、流体圧力1.0MPa、差圧0.2MPaまで対応しているので多くの温水暖房システムに使用できます。逆に言えば、この範囲を超えると微少漏れを起こします。微小であっても、流れて欲しくないゾーンに流れることはユーザーの快適性を損ないかねませんので注意が必要です。
交換できるパーツ①|アクチュエーター
熱源機メーカーの純正部品として長年採用されているソーワエンジニアリング社の「アクチュエーター(商品コード:HAC-110)」は、熱動弁接続用のおねじ(呼び M:M30X1.5)に手締めで取付けられるように設計されているので、入り組んだ配管であっても取付取外しが容易です。

アクチュエーター(品番:HAC-110)は、手締めナット(M30×1.5)でバルブ部との取付・取外が容易。1個から当日出荷いたします。
| 品番 | 消費電力 | コード長 |
| HAC-110 | 5W | 100cm |
交換できるパーツ②|弁体一式(コックアッシ)
常時圧力がかかる熱動弁の止水構造は、水栓金具に用いられることが多いグローブ型が一般的です。弁体を弁受けに押し付けて止水する仕組みなので、開閉作動の累積によって弁が摩耗すると止水能力が低下するのでメンテナンスが必要です。
その点、「HAC-110専用バルブ」であれば、バルブ部の上部にある六角ナットを外して弁体部分「コックアッシ(商品コード:COCKASSY)だけを交換できるのでメンテナンスにかかる時間と費用を削減できます。ゴミ噛みなどの解消もこの手順で実施してください。
| 品番 | 適合 |
| COCKASSY | VAL152・VAL202 |
まとめ
温水暖房システムに用いられる熱動弁は、オンオフ制御だけなので寿命の長い部品です。それでも故障や長期間の使用による摩耗、異物の詰まりなどが発生した場合は、丸ごと交換しなければならず大掛かりな交換工事が発生します。
その点、ソーワエンジニアリング社の熱動弁であれば「アクチュエーター」と「HAC-110専用バルブ」、そして「弁体一式(商品コード:COCKASSY)」が分割できるのでメンテナンス性に優れています。
※この記事は2020年4月7日に公開したものですが、校正し直し2025年11月13日に再公開しました。
大宮彰大
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