FF式ガス給湯器の入替え時の疑問。既設の給排気筒を再使用する際のチェックポイントはここ!

FF式のガス給湯器を入替える際に、既設の給排気筒を再使用しなければならない現場があります。しかし、潜熱回収型給湯器へ入替える場合は、再使用を推奨できない給排気筒のモデルもあります。

既設の給排気筒が差し込み接続なら再使用を回避

差し込み接続仕様の給排気筒では、ビスやリベットを使用して抜け防止措置を施し、接続部にはシール剤を充填して燃焼排ガスの漏れを防止しています。特に潜熱回収型のガス給湯器「エコジョーズ」に入替える現場では、排気筒内でドレン水が発生しやすくなりますので、接続部のシール剤の点検や打ち直しが不可欠です。そうなると再使用を回避する方が合理的だといえます。

再使用前に点検すべき3つのポイント

ガス機器の入替え時には、既設の排気筒と給排気部を点検し、取替時点において「特監法(特定ガス消費機器の設置工事の監督に関する法律)」に適合している場合に限り、その再使用が可能です。

1.給排気筒の材質はSUS304か

給排気筒にJIA認証表示ラベルがある場合、材質はSUS304と判断します。ただし、「レベル1」とラベルに表示されている場合、SUS304以外の可能性があり、磁石を使用して材質を確認する必要があります。非磁性のSUS304は磁石が付かず、SUS430などの磁性体は磁石が付きます。なお、材質が特監法に適合するSUS304であっても、排気筒の勾配がとれていない部分は、ドレン水による腐食が発生している可能性が高いといえます。

2.しっかり固定されているか

給排気筒の固定は専用の支持金具で、1.5~2mピッチで固定されていることを目視、指触にて確認します。

3.排気筒の接続部の処理が正しく行われているか

既設の給排気筒が「ロック機構付き」の場合

「ロック機構付き」仕様の給排気筒については、完全にロックされていることを確認していただければ結構です。ただし、既設の給排気筒は旧式のロック機構であることが一般的なので、最新のロック機構に変換するアダプタが必要となりますので、ぜひこちらもご用命下さい。なお、給排気筒の点検方法は「外部からの目視」とされていますが、「排気延長距離が長い」、「二重管式で内筒が外部から点検できない」といった現場では、工業用内視鏡を使って内部から点検することを推奨しています。また、録画機構付を選べば、報告書の作成も楽になります。

既設の給排気筒が「差し込み接続」の場合

ロック機構の無い「差し込み接続」の給排気筒の場合、【差込に問題はないか?】【ネジ、リベット等で抜け防止が施されているか?】【250℃以上の耐熱性を有するシール剤でしっかりシールされているか?】を目視、指触で確認してください。また、必要に応じてシールの打ち直しを実施してください。

施工後には特監シールを貼る

図6:特定工事終了後の表示ラベルは不燃仕様をお使いください。

特定ガス機器の設置、変更の工事終了後は、必ず特監シール(特定ガス消費機器の設置工事の監督に関する法律第6条の規定による表示ラベル)を給湯器と排気筒それぞれに貼り、表示する義務があります。なお、記入は黒色のボールペンか、油性のフェルトペンなどを使用してください。

品 番 幅(mm) 長さ(mm)
SK47TC 40 70

まとめ

屋内設置型のガス給湯器交換時に既存排気筒を再利用する際には、以下3点の項目を確認してください。

  1. 給排気筒の材質はSUS304か?
  2. 給排気筒は1.5〜2m間隔でしっかり固定されているか?
  3. 接続部の処理は適切か?

特に3点目で、接続部が差し込み接続仕様の場合は、接続部のシール剤の点検や打ち直しが不可欠です。そうなると再使用を回避する方が合理的だといえます。また、くれぐれも特定ガス消費機器の取付けは、特監法(特定ガス消費機器の設置工事の監督に関する法律)に基づき行ってください。

※2019年4月4日に公開された記事を校正し直し、2024年4月18日に再度公開しました。

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佐々木瞭

1994年生まれ。2016年ベストパーツ株式会社入社。 2018年より営業部に所属し、分類は配線器具・設置固定を担当しています。 皆さまのお困りごとを解決させて頂きます。 お気軽にご質問ください。
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