コストダウンに効く!『PPS樹脂製追い焚き用循環金具』の3つのメリット

樹脂部品に対して「落とすと欠ける?」「凍結すると割れる?」「ねじ山が潰れる?」という感情を抱く人は少なくないでしょう。しかし、機能性樹脂の進化は目覚ましく、軽量化やコストダウンの観点から、金属部品の樹脂化は加速しています。特にPPS樹脂は220℃以上の耐熱性、-20℃までの耐寒性をもち、耐薬品性も高く、難燃性を備えているため、住宅設備部品に最適であり、追い焚き用循環金具においてはメーカー純正品に採用されるまでに至っています。

使いこなすとこんなにコストダウンに効く

PPS樹脂は成形難易度が高い樹脂でもあるので、どこでも製造できるわけではありません。それでも、金属からPPS樹脂へ代替することで、材料費と部品点数削減によるコストダウン、軽量化、納期短縮を見込めます。機能性はもちろん、耐久性も十分なので、ぜひ使ってみましょう。本稿では、追い焚き用循環金具におけるボディ材質が及ぼす影響とその特性について解説していきます。

ボディの材質は黄銅製からPPS樹脂製に移行している

ベストパーツが取り扱う追い焚き用循環金具のボディの材質は、金属製(黄銅)と樹脂製(PPS)の2種類。黄銅は循環金具のボディ材質として発売当初から採用されており実績十分。一方のPPS樹脂製は、市場投入後わずか10年程度しか経過していません。それでも、2025年現在、ほとんどすべてのユニットバスメーカーおよび給湯器メーカーの純正は、PPS樹脂製に移行しています。主な理由は以下の通りです。

PPS樹脂ボディのメリット①|軽量で浴槽に負担をかけない

追い焚き用循環金具は、浴槽を挟み込んで固定します。ですから、循環金具の全重量が浴槽の1面に掛かることになるため、ポリバスなど薄い材質の浴槽に対しては重量が軽い方が有利です。

樹脂ボディの循環金具は金属(黄銅)ボディと比較して重量が半分程度と軽く、浴槽へのストレス低減や取付のしやすさも樹脂ボディの大きな特徴です。

SKJ-21LP

G1/2ねじ式の樹脂製循環金具SKJ-21LPは1個から当日出荷いたします。

商品コード品名ボディ材質重量(g)
SKJ-21L循環金具L型(R1/2)黄銅660g
SKJ-21LP循環金具L型(G1/2)PPS330g

PPS樹脂ボディのメリット②|黄銅と比較して安価

樹脂ボディが採用される一番の要因は、コストダウンに効く点。前述の通り成形難易度が高いため激安とまではいきませんが、それでも材料費と部品点数の削減効果により、最近では樹脂ボディの方がおおよそ2~3割程度安く設定されていることが多くコストパフォーマンスが向上しています。

1/2ねじモデルでの価格比較
商品コード品名ボディ材質基準価格
SKJ-21L循環金具L型(R1/2)黄銅¥4,180
SKJ-21LP循環金具L型(G1/2)PPS樹脂¥2,520

※2025年12月時点の価格です。

PPS樹脂ボディのメリット③|凍結時も割れにくい

樹脂の強度、特に凍結時の割れの不安から樹脂ボディをネガティブに捉えられる方がいらっしゃるのも事実です。そのことを踏まえ、実際はどうなのか試験を行いました。試験方法は樹脂ボディ本体に水道水を満たし、凍結・解凍を繰り返すサイクル試験というものです。試験結果は以下の通りです。

実使用時に凍結が発生した場合での、本体破裂や異常の確認試験を実施しています。(イメージ)

サイクル試験の結果
高温曝露低温曝露スタートサイクル結果
60℃ 30分-20℃ 60分低温側30サイクル異常なし

結果、樹脂の割れや変形等の異常はなく、寒冷地においても一般的な使用方法では特に問題がないことが証明されました。この試験は実使用時よりも相当ハードな条件で実施されているため、基本的にはどのエリアでも安心してご使用いただけます。

それでも凍結の恐れがある地域では根強い人気の金属ボディ

PPS樹脂化が進む追い焚き用循環金具ですが、それでも現場では金属ボディの人気は衰えていません。というのも、過去に循環金具の凍結被害を経験されている職人がたくさんいらっしゃるからです。前項で、PPS樹脂は凍結にも強いことをお伝えいたしましたが、解氷作業となると金属製に軍配が上がるのは確かです。

SKJ-21L

歴史の長い金属(黄銅)ボディの循環金具は、堅牢な作りで寒冷地やベテラン職人の方に人気です。

循環金具のラインナップ

ベストパーツオンラインでは、様々なシチュエーションに対応する様々なモデルの循環金具をご用意しています。現在市場での販売比率は7:3で樹脂ボディが多く、それを反映したラインナップとなっています。
※は廃番品(2025年12月時点)となります。

接続方式商品コード

(樹脂ボディ)

商品コード

(金属ボディ)

接続径対象の配管
ねじL型SKJ-21LPSKJ-21LG1/2(R1/2)ねじ式のため管種問わず
S型SKJ-22LPSKJ-22LG1/2(R1/2)
SL兼用型SKJ-60LPG1/2
15AタケノコL型SKJ-21LPTSKJ-21LT15A(内径13㎜)追い焚き用ホース
S型SKJ-22LPTSKJ-22LT
SL兼用型SKJ-20LPT
10AタケノコL型SKJ-11LPT10A(内径10㎜)追い焚き用ホース
S型SKJ-12LPT
SL兼用型SKJ-10LPT
10AタケノコL型SKJ-31LPTSKJ-31LT10A架橋ポリエチレン管
S型SKJ-32LPTSKJ-32LT
SL兼用型SKJ-30LPT
13AタケノコL型SKJ-31LPT1313A架橋ポリエチレン管
S型SKJ-32LPT13
10AワンタッチL型SKJ-31LPOSKJ-31LO※10A架橋ポリエチレン管
S型SKJ-32LPOSKJ-32LO※
SL兼用型SKJ-30LPO
13AワンタッチL型SKJ-31LPO1313A架橋ポリエチレン管
S型SKJ-32LPO13SKJ-32LO13※
SL兼用型SKJ-30LPO13

まとめ

追い焚き用循環金具は、市場の約7割が金属ボディから樹脂ボディに移行しています。樹脂材料にはPPS樹脂を採用しているので、耐熱性、耐寒性、耐薬品性に優れ、難燃性も有しており住宅設備に最適です。成形難易度が高い材料ではあるものの、材料費と部品点数の削減により2~3割程度のコストダウン効果が得られます。さらに、今後の見通しとして非鉄金属の高騰が続くと予測されるなら、そろそろ金属ボディから樹脂ボディに移行するタイミングではないでしょうか?
ベストパーツオンラインでは、多種多様なシチュエーションに対応する幅広いラインナップを取り揃えておりますので、現場状況や設置環境、ご自身の使い方に合わせてご選定ください。

※この記事は2022年3月16日に公開した記事ですが、修正を加え2025年12月3日に再度公開しました。

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佐々木瞭

1994年生まれ。2016年ベストパーツ株式会社入社。 2018年より営業部に所属し、分類は配線器具・設置固定を担当しています。 皆さまのお困りごとを解決させて頂きます。 お気軽にご質問ください。
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