コストダウンに効く。PPS樹脂製の追い焚き用循環金具

「落とすと欠ける?」「凍結すると割れる?」「ねじ山が潰れる?」という人は少なくないでしょう。しかし、機能性樹脂の進化は目覚ましく、金属部品の樹脂化は加速しています。特にPPS樹脂は220℃以上の耐熱性、-20℃までの耐寒性をもち、耐薬品性も高く、難燃性を備えているため、住宅設備部品に最適です。

使いこなすとこんなにコストダウンに効く

PPS樹脂は成形難易度が高い樹脂でもあるので、どこでも製造できるわけではありません。それでも、金属からPPS樹脂へ代替することで、材料費と部品点数削減によるコストダウン、軽量化、納期短縮を見込めます。機能性はもちろん、耐久性も十分なので、ぜひ使ってみましょう。本稿では、ボディ材質が及ぼす影響とその特性について解説していきます。

ボディの材質は黄銅製からPPS樹脂製に移行している

ベストパーツが取り扱う追い焚き用循環金具のボディの材質は、金属製(黄銅)と樹脂製(PPS)の2種類。黄銅は循環金具のボディ材質として発売当初から採用されており実績十分。一方のPPS樹脂製は、市場投入後わずか10年程度しか経過していません。それでも、2022年現在、ほとんどすべてのユニットバスメーカーおよび給湯器メーカーの純正は、PPS樹脂製に移行しています。主な理由は以下の通りです。

PPS樹脂ボディのメリット

G1/2ねじ式の樹脂製循環金具

金属(黄銅)ボディと比較して重量が半分程度と軽く、浴槽へのストレス低減や取付のしやすさも樹脂ボディの大きな特徴

品番 品名 ボディ材質 重量(g)
SKJ-21L 循環金具L型(R1/2) 黄銅 660g
SKJ-21LP 循環金具L型(G1/2) PPS 330g

軽量で浴槽に負担をかけない

追い焚き用循環金具は、浴槽を挟み込んで固定します。ですから、循環金具の全重量が浴槽の1面に掛かることになるため、ポリバスなど薄い材質の浴槽に対しては重量が軽い方が有利です。

黄銅と比較して安価

樹脂ボディが採用される一番の要因は、コストダウンに効く点。前述の通り成形難易度が高いため激安とまではいきませんが、それでも材料費と部品点数の削減効果により、最近では樹脂ボディの方がおおよそ2~3割程度安く設定されていることが多くコストパフォーマンスが向上しています。

1/2ねじモデルでの価格比較
品番 品名 ボディ材質 基準価格/個
SKJ-21L 循環金具L型(R1/2) 黄銅 ¥3,630
SKJ-21LP 循環金具L型(G1/2) PPS樹脂 ¥2,350

凍結時も割れにくい

実使用時に凍結が発生した場合での、本体破裂や異常の確認試験を実施しています。(イメージ)

樹脂の強度、特に凍結時の割れの不安から樹脂ボディをネガティブに捉えられる方がいらっしゃるのも事実です。そのことを踏まえ、実際はどうなのかを解明したのが以下の試験結果です。

サイクル試験の結果
高温曝露 低温曝露 スタート サイクル 結果
60℃ 30分 -20℃ 60分 低温側 30サイクル 異常なし

試験方法は樹脂ボディ本体に水道水を満たし、凍結・解凍を繰り返すサイクル試験というものです。結果、樹脂の割れや変形等の異常はなく、寒冷地においても一般的な使用方法では特に問題がないことが証明されました。この試験は実使用時よりも相当ハードな条件で実施されているため、基本的にはどのエリアでも安心してご使用いただけます。

それでも凍結の恐れがある地域では根強い人気の金属ボディ

R1/2ねじ式の金属製循環金具

歴史の長い金属(黄銅)ボディの循環金具は、堅牢な作りで寒冷地やベテラン職人の方に人気。

PPS樹脂化が進む追い焚き用循環金具ですが、それでも現場では金属ボディの人気は衰えていません。というのも、過去に循環金具の凍結被害を経験されている職人がたくさんいらっしゃるからです。前項で、PPS樹脂は凍結にも強いことをお伝えいたしましたが、解氷作業となると金属製に軍配が上がるのは確かです。

循環金具のラインナップ

ベストパーツオンラインでは、様々なシチュエーションに対応する様々なモデルの循環金具をご用意しています。現在市場での販売比率は7:3で樹脂ボディが多く、それを反映したラインナップとなっています。

接続方式 樹脂ボディ品番 金属ボディ品番 接続径 対象の配管
ねじ L型 SKJ-21LP SKJ-21L G1/2(R1/2) ねじ式のため管種問わず
S型 SKJ-22LP SKJ-22L G1/2(R1/2)
SL兼用型 SKJ-60LP G1/2
15Aタケノコ L型 SKJ-21LPT SKJ-21LT 15A(内径13㎜)追い焚き用ホース
S型 SKJ-22LPT SKJ-22LT
SL兼用型 SKJ-20LPT
10Aタケノコ L型 SKJ-11LPT 10A(内径10㎜)追い焚き用ホース
S型 SKJ-12LPT
SL兼用型 SKJ-10LPT
10Aタケノコ L型 SKJ-31LPT SKJ-31LT 10A架橋ポリエチレン管
S型 SKJ-32LPT SKJ-32LT
SL兼用型 SKJ-30LPT
13Aタケノコ L型 SKJ-31LPT13 13A架橋ポリエチレン管
S型 SKJ-32LPT13
10Aワンタッチ L型 SKJ-31LPO SKJ-31LO 10A架橋ポリエチレン管
S型 SKJ-32LPO SKJ-32LO
SL兼用型 SKJ-30LPO
13Aワンタッチ L型 SKJ-31LPO13 13A架橋ポリエチレン管
S型 SKJ-32LPO13 SKJ-32LO13
SL兼用型 SKJ-30LPO13

まとめ

追い焚き用の循環金具は、市場の約7割が金属ボディから樹脂ボディに移行しています。樹脂材料にはPPS樹脂を採用しているので、耐熱性、耐寒性、耐薬品性に優れ、難燃性も有しており住宅設備に最適です。成形難易度が高い材料ではあるものの、材料費と部品点数の削減により2~3割程度のコストダウン効果が得られます。さらに、今後の見通しとして非鉄金属の高騰が続くと予測されるなら、そろそろ金属ボディから樹脂ボディに移行するタイミングではないでしょうか?ベストパーツオンラインでは、多種多様なシチュエーションに対応する幅広いラインナップを取り揃えておりますので、現場状況や設置環境、ご自身の使い方に合わせてご選定ください。

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佐々木 克仁

佐々木 克仁

2001年ベストパーツ株式会社(旧東北綜合器材株式会社)入社。2002年より営業職。分類は給水給湯を担当。1976年生まれ。

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