
貯湯式の給湯器で給湯加圧ポンプを用いる場合は、「負圧作動弁付エアベント」が必須です!
真空状態でタンクが変形⁉これ一つで貯湯タンクと循環ポンプを守る
それぞれの給湯機器メーカーのオプション部品として「負圧作動弁付エアベント」がラインナップされていますが、その必要性を知らずに設置していない現場が、実は意外と多いようです。
断水などで給水が止まった状態で、給湯加圧ポンプが作動するとどうなるか。
答えは「タンクが真空状態になり、外部からの圧力に耐えきれず、変形・破損する」可能性があるのです。
常時はエア噛み、断水時には負圧を解消!
そのような事故を防ぐ為に、給湯加圧ポンプを取付ける際は「負圧作動弁付エアベント(品番:UV2077ZZ)」も忘れてはいけません。
この部品は、通常時にはエア抜きを行い、エア噛みによるポンプの不具合を防止。そして、断水時には自動で空気を取り込み、タンクの真空化を防ぐという、二重の保護機能を備えています。
エアベントはポンプの手前に設置し、常時脱気を行うことで、ポンプの吸込み配管への気体混入を防ぎ、エア噛みの発生を抑制します。
さらに、万が一断水が発生した場合でも、本製品の下部にある負圧作動弁が、タンク内の負圧を感知して空気を取り込み、外部と内部の圧力を均等に保つことで、圧力差によるタンクの破損を防止します。
品 番 | 接続口径 | 負圧弁開 | 負圧弁閉 |
UV2077ZZ | Rc3/4 | -10kPa以下 | 10kPa以下 |
弁座部が取り外せるのでメンテナンスも容易

点検箇所が分かりやすく明記されています。
「負圧作動弁付エアベント(品番:UV2077ZZ)」の弁座部はSUS304を採用しているので腐食の心配はありませんが、ゴミ噛みの恐れはあります。その際は、六角部をスパナで緩めて弁座部を取外し、ゴミやほこりなどの異物を掃除してください。
設置は貯湯タンクと給湯加圧ポンプの間で最も高い位置
※負圧作動弁ホース口に「透明ビニールチューブ(品番:TV6-8-2M)」、エアベントホース口に「透明ビニールチューブ(品番:TV-5-7-2M)」を接続し排水口に導いてください。
まとめ
実は、多くの現場でこの「負圧作動弁付エアベント」が設置されていないケースがあります。理由は、「部品の必要性を知らなかった」「加圧ポンプを後付けした」など様々。その結果、断水時にタンクが破損し、修理費用がかさんだり、住まい手の信頼を損なうリスクもあります。給湯加圧ポンプを設置する場合は、貯湯タンクと給湯加圧ポンプの両方を守る「負圧作動弁付エアベント」を必ず取付して下さい。
※この記事は2019年6月7日に初めて公開した記事ですが、修正して2025年8月4日に再度公開しました。

佐々木瞭

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