
今からでも遅くない!銅配管のロウ付術を確認
※この記事は2019年7月5日に公開しましたが、商品を追加して2021年3月24日に再公開しました。
知っておきたいロウ付作業手順と作業部材
機器入替え工事やリフォーム現場で既存の配管が銅管だった場合、コストを抑えようとするなら既存配管に合わせて「M銅管」や「被覆銅管」を継ぎ足すべきです。
品番 | 外径 | 肉厚 | 基準価格 |
SKM2-127 | φ12.7 | 0.64mm | 時価 |
SKM2-1588 | φ15.88 | 0.71mm | |
SKM2-2222 | φ22.22 | 0.81mm | |
SKM2-2858 | φ28.58 | 0.89mm |
ロウ付け作業手順
銅管を必要な長さに切断する「銅管用チューブカッター」
銅管を切断するチューブカッタのオススメは、ベアリング内蔵の「チューブカッタRBNシリーズ」です。
「チューブカッター(ベアリング内蔵型)(品番:RBN28)」はやや丸みを帯びた小型デザインなので手のひらにフィットします。狭所で切断作業する時に回し切るのが容易なだけでなく、腰袋や作業着のポケットにもすっぽり収まり取り出しやすいのでとても便利です。特にオススメしているのは、私たち日本人の手になじみ使いやすいModel N30の「チューブカッター(ベアリング内蔵型)(品番:427430)」です。
品番 | 適応径 | 替刃 | 回転半径 | 全長 | 質量 | ベアリング | 基準価格/丁 |
427128 | Φ4~28 | 424231 | 60mm | 93mm | 175g | 8 | ¥4,120 |
427430 | Φ5~34 | 424237 | 132mm | 150mm | 350g | 8 | ¥4,980 |
427442 | Φ6~42 | 150mm | 180mm | 400g | 8 | ¥6,860 |
ロウ付け作業前の磨きに「ナイロンたわし(品番:R45268)」
ロウ付作業前の銅管や継手磨きに欠かせないのが「ナイロンたわし(品番:R45268)」。特殊加工樹脂により、銅管の酸化被膜、腐食、汚れ、油脂残留物をきれいに除去します。銅管サイズを問わず素早く清掃できます。
品番 | サイズ/枚 | 入数 | 基準価格/箱 |
R45268 | 全長135×幅60mm×5.0mm | 10枚入り | ¥1,670 |
切断面のバリを取る「ユニバーサルリーマ(品番:R11006X・R70075)」
「ユニバーサルリーマ(品番:R11006X・R70075)」は、上下ひっくり返して配管の内面と外面のバリを取りながら真円を出すことができます。適合配管は銅・鉄、ステンレス、アルミ、真鍮、プラスチック。金属管全般に使える切削能力と抜群の耐久性を誇るパイプリーマです。バリ取りを怠るとロウ付が失敗する可能性があり、またバリが機器等に入り込み故障の原因となりますので必ずバリを取るようにしてください。
品番 | 適合銅管サイズ | 刃枚数 | 基準価格/個 |
R11006X | φ6~φ35 | 36枚刃 | ¥9,950 |
R70075 | φ9~φ54 | 39枚刃 | ¥19,500 |
必要最小限に塗布するのがコツ「フラックス(品番:SFK-F100・M100)」
「フラックス(品番:SFK-F100・M100)」は、ロウ付の「ぬれ」を効果的に促すための促進剤です。金属表面の酸化皮膜を除去して金属どうしが接合しやすくなるのを補助します。必要最小限に塗布し、接合部の管端3~5mm離して銅管外面に塗布します。そこで気をつけるのは「継手内面には絶対に塗布しない」です。思い込みでフラックスは多く塗布した方がロウ付けに良いと思っている方がいらっしゃいますがこれは間違いです。フラックスの塗布多いと、ロウ付けに悪影響を及ぼす事になり、ロウ付け後の腐食の原因となりますのでご注意ください。
品番 | 活性温度 | 適合母材 | 容量 | 基準価格 |
SFK-F100 | 180~400℃ | 銅管・真鍮 | 100cc | ¥940 |
SFK-M100 | 180~400℃ | 銅管・真鍮 | 100cc | ¥1,200 |
リング式なので銅管を均一に加熱「ガストーチスーパーリング(品番:ST-450R・ST450SR)」
「ガストーチスーパーリング(品番:ST-450R)」炎はリング式でパイプを効率よく加熱する為、ロウ付け作業時間が短縮できます。炎の最高温度も2100℃ある為十分な火力を持っています。使用する銅管サイズは22.22mmサイズまで使用可能で幅広くご使用できます。
品番 | 最高温度 | 燃焼時間 | 基準価格 |
ST-450R | 2100℃ | 約100分 | ¥4,730 |
ロウ付作業にとってガストーチバーナーでの加熱は最大のポイントです。ロウ付部を適温(270~320℃)まで均一に加熱する必要があります。銅管は熱伝導性に優れているので、均一に加熱され易い特性を持っています。加熱はガストーチバーナーなどで行います。銅管と銅継手に炎をあてるとある程度均一に加熱ができます。しかし、加熱しすぎるとフラックスが炭化する場合があるので注意が必要です。なお、狭い場所での過熱には耐熱マットとフレームガードをご利用になると便利です。
品番 | 最高温度 | 燃焼時間 | 基準価格 |
ST450SR | 2100℃ | 約100分 | ¥5,090 |
ソルダーワイヤーを温度の低い方の隙間に入れる
「ソルダーワイヤー(品番:SK-Y500・SK-Y500A)」を差す銅管の適温は270~320℃です。ガストーチバーナー加熱の場合、適温になると銅管の色が奇麗なピンク色となり、同時に炎の色が薄緑色になります。この時ガストーチバーナーを外し、炎が当たっていた銅管の反対側にソルダーワイヤーの先を差します。
注意:ソルダーワイヤーは温度の低い方から差すことが原則です。
品番 | 銀含有量 | ロウ付温度 | 太さ | 質量 | 基準価格 |
SK-Y500 | 3.5% | 260~300℃ | φ2.0 | 500g | 時価 |
SK-Y500A | 0.5% | 250~300℃ | φ2.0 | 500g |
まとめ
銅配管のロウ付作業は最近のワンタッチ継手と異なり、部材が数点必要となり作業時間が多くかかります。一方で、シール材やパッキンの類の止水と異なり耐圧性能が高く、長期にわたり止水性能が期待でき、配管・継手が美しい上に安価というメリットもあります。
どうしても火が使えない現場や経験の浅い外注先の場合は、銅管ワンタッチ継手「テクタッチ」と併せてご検討してみてはいかがでしょうか。

永井達也

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