
隠ぺい配管の結露リスクを低減する冷媒用被覆銅管「ペアコイルKHEシリーズ」
JCDA規格を満たす仕様のペアコイルKHEシリーズ
冷媒管を隠ぺい配管した現場では、壁裏に結露が生じる場合があります。ドレンホースやドレンパンから漏水していた事例もありますが、どちらにしてもユーザーが知る頃には壁裏の断熱材は水を吸い、石膏ボードやクロスはカビだらけです。
冷媒管の結露発生原因は「断熱材の能力不足」
冷媒配管は冷房運転時に低温の冷媒ガスが流れるため銅管表面が低温になります。これに対し、断熱材は銅管と外気との接点を失わせ、被覆表面が露点以下となるのを防ぐ役割を持っています。
しかし環境に対して断熱材の厚み=断熱能力が足りていないと、徐々に銅管の熱が断熱材に伝わり、ついには被覆面まで冷やされて露点温度以下になってしまい、表面結露が生じるのです。
仕様変更で何が変わった?
液管側の断熱材も防露範囲までの厚みを確保
これまで、外径φ9.52以下の液管側の断熱材に限り8mm厚でも許容されていましたが、2022年4月1日のJCDA規格改正により管外径に関わらず10mm厚と定められました。図1より、2分(φ6.35)と3分(φ9.52)の断熱材厚みによる防露範囲の違いが高温になるほど顕著であることが見て取れます。さらに、KHEシリーズのペアコイルなら、ガス管側の断熱材が20mm厚なので、多くの場合、結露によるトラブルを回避できます。それでも断熱材表面に結露が生じる部分については、断熱材の上から「断熱粘着テープ(品番:DHV-)」を増し巻きしてください。

図1:防露性能比較グラフ 緑実線は「ペアコイルPC-10H-KHEシリーズ」青破線は「ペアコイルPCシリーズ」
隠ぺい配管に最適「ペアコイルKHE」
商品コード | 液管(銅管外径x銅管肉厚x断熱材厚) | ガス管(銅管外径x銅管肉厚x断熱材厚) | 全長 | 出荷日 |
PC232010HKHE | 6.35×0.8x10mm | 9.52×0.8x20mm | 20m | 当日 |
PC242010HKHE | 6.35×0.8x10mm | 12.7×0.8x20mm | 20m | 翌々日 |
PC352010HKHE | 9.52×0.8x10mm | 15.88×1.0x20mm | 20m | 翌々日 |
増し巻きに「断熱粘着テープ(品番:DHVシリーズ)」
品番 | 厚み | 幅 | 全長 |
DHV-5010 | 3mm | 50mm | 10m |
DHV-5020 | 3mm | 50mm | 20m |
DHV-7510 | 3mm | 75mm | 10m |
DHV-10010 | 3mm | 100mm | 10m |
まとめ
高温多湿環境への対応を狙い、冷媒用断熱被覆銅管に関するJCDA0009が2022年4月1日付で改正されました。これにより、液管側の断熱材の厚みについて原管の外径に寄らず10mm以上と定められました。改正に合わせて仕様変更した因幡電工の「ペアコイルKHE」であれば、液管側10mm、ガス管側20mmと防露効果に優れているので隠ぺい配管でも安心です。なお、それでも防露範囲に収まらない部分には「断熱粘着テープ(品番:DHV-シリーズ)」を断熱材の上から巻いて厚みを増してください。
※本稿は、2021年4月28日に公開しましたが、JCDA規格に適合するよう変更された仕様を反映し2025年9月16日に再公開しました。

鈴木 彩香

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