
ワイヤアルミダクトとアルミダクト何が違うの?
※本稿は2019年9月30日に公開しましたが、編集校正し、2021年1月6日に再公開しました。
防火区画にも使える不燃材料認定品の「ワイヤアルミダクト」
ではなぜアルミダクトとワイヤアルミダクトの2種類をラインナップしているのでしょうか?それらは寸法や構造等にも違いはありますが、最大の違いは不燃材料認定の有無です。アルミダクトが使えない「防火区画」などの建築基準法の内装制限に関わる部分にも対応できるようになるからラインナップしているのです。
不燃材料認定品の「ワイヤアルミダクト(品番:WADシリーズ)」
品番 | 呼び径(φ) | 全長 | 使用温度 | 基準価格 |
WAD-50 | 50 | 10m | -30℃~250℃ | ¥4,800 |
WAD-75 | 75 | ¥4,800 | ||
WAD-100 | 100 | ¥4,900 | ||
WAD-150 | 150 | ¥6,500 |
国土交通省から不燃材料認定をうけているダクトですから、建築基準法により内装制限を受ける箇所にも使用できます。ただし、レンジフードの排気ダクトとして使用する場合は、各自治体の条例に従ってください。
丈夫な構造
アルミ箔が3層+ポリエステルフィルムが2層の特殊ラミネート構造により、破れ難く、高い気密性を有しています。狭いピッチ(φ50=10mm、φ75以上=18mm)でらせん状に入っている高炭素鋼線が形くずれを防ぎ、扁平による風量の減少をを抑えます。
ロスが少ない優れた施工性
施工はカッターとニッパさえあれば誰でも思い通りの長さでカットすることができるほど容易です。製品長は圧縮時70cmにまで縮み在庫スペースを削減でき、伸張すれば10mにまで伸ばせるので材料ロスや継手の数が削減できます。
ローコストの「アルミダクト(品番:ADシリーズ)」
品番 | 呼び径(φ) | 全長 | 使用温度 | 基準価格 |
AD-75 | 75 | 4m | -30℃~200℃ | ¥1,280 |
AD-100 | 100 | ¥1,320 | ||
AD-150 | 150 | ¥1,980 | ||
AD-200 | 200 | ¥4,280 |
不燃材料認定品ではありませんので、建築基準法の定める内装制限内には使用できません。
コストを優先する
多数のメーカーが参入し数多く製造しているため、価格競争が激しくローコストで入手できます。
施工にはちょっとした注意が必要
施工はカッターとニッパーさえあれば容易ですが、非常に柔らかいので引き伸ばす時など施工中の破れに注意が必要です。引き伸ばす長さは3.5m程度にしたほうが安全でしょう。国土交通省の不燃認定は取得していませんが、不燃性のアルミニウム素材ですので使用温度は200℃まで可能です。
まとめ
建築基準法により内装制限を受ける箇所には必ず「ワイヤーアルミダクト」をご使用ください。また、目視できない隠蔽配管の場合にも、ポリエステルフィルムでアルミをラミネートしている構造の「ワイヤアルミダクト」をオススメします。1本で10mまで引き延ばせるためダクトのロスや継手が削減できるうえ、10m分が70cmまで圧縮できるので保管や運搬の効率にも優れています。一方、内装制限のない箇所にはローコストの「アルミダクト」で十分です。ただし、「異物に当たると破れやすい」、「引き伸ばすときは3.5m以内に収める」等、アルミダクトの場合は施工時に細心の注意が必要です。

室橋尚哉

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