ガスフレキや灯油用銅管を化粧する「エネモール」の壁貫通カバーを巧みに使い分け!
燃料配管に使うから壁貫通部に継手を使わない「エネモール」
配管カバーを快適に施工するうえで、必ず検討したいのが壁から出入りする箇所に使用する壁貫通カバーの美観と施工性です。一般的な配管カバーは、給水給湯配管やエアコンの冷媒管といった他分野の流用製品が多くを占めています。それに対し、「エネモール」は、ガスフレキ配管や灯油用被覆銅管の専用品として一芸に優れる存在です。例えば、給水給湯用の配管カバーから派生した商品は、壁貫通カバー内部に継手を使う仕様なのに対し、「エネモール」は貫通部では継手を一切使いません。エアコン用の配管カバーから派生した商品は、ペアチューブが収まるほどに大きく美観を損ねます。
ガス衣類乾燥機のガスフレキ配管に利用したい「エネモール」
品番 | 全長 | 高さ | 幅 | 適合 |
GML-8M | 2100mm | 17.5mm | 19.5mm | φ8被覆銅管 |
GML-10M | 21.0mm | 24.0mm | 10Aガスフレキ | |
GML-15M | 25.0mm | 27.5mm | 15Aガスフレキ | |
GML-25M | 40.0mm | 40.0mm | 20・25Aガスフレキ |
「エネモール」の壁貫通カバーはどう使い分ける?
全19モデルを展開する「エネモール」の内、壁貫通を伴う箇所に使うパーツは6モデルと最大です。中でも見た目と用途が近似の「貫通カバー」、「壁カバー」、「壁貫通カバー」の3種類について、それぞれ何が違うのかを確認致します。大前提として手曲げしたガスフレキ配管を継手を使わず壁貫通してください。
外壁貫通部は「エネモール壁貫通カバー(品番: GMLWK)」がオススメ!
ガスフレキ配管の10Aと15A、そしてΦ8灯油用被覆銅管を屋外から引き込む際は、「エネモール」の中で最もコンパクトで美観に優れる「ガスフレキ用エネモール壁貫通カバー(GMLWK-8-15M)」を使って壁貫通部をきれいに収めることをオススメしています。施工方法は、壁に固定したベース板にカバー部をパチッという音がするまでスライドさせてはめ込みます。ベース板の壁固定方法は接着でも良いのですが、オススメはビス固定です。ただし、屋外設置の場合は、雨仕舞を考えビス固定であっても周囲にコーキングを施してください。
品番 | 幅 | 高さ | 奥行 | 適合モール |
GMLWK-8-15M | 45.0mm | 92.0mm | 26.5mm | GML-8M・GML-10M・GML-15M |
ご注意いただきたいのは、取付の際、ベース板にガスフレキ配管を通してから壁面に固定しなければならない点です。
20A,25Aを引き込む際の屋外側に使いたい 「エネモール貫通カバー(品番:GMLW)」
「エネモール貫通カバー(品番:GMLW)」は、「エネモールストレート」を取り付けた後に、上から被せてビスで固定するタイプの化粧カバーです。ツバ付きでしっかり固定できるだけでなく、幅方向にも大きいので、既存の開口部を利用する際にも便利です。また、25サイズまでラインナップされているので、20A、25Aのガスフレキ配管をきれいに収めることができます。以上のことから、屋外から20Aまたは25Aを引き込む際の外壁貫通部にオススメいたします。
品番 | 幅 | 高さ | 奥行 | 適合モール |
GMLW-15ML | 50.8mm | 135.0mm | 34.0mm | GML-15M |
GMLW-25M | 65.0mm | 195.0mm | 60.0mm | GML-25M |
屋内側や軒下の貫通部に使いたいスッキリデザインの「エネモール壁カバー(品番:GMLW)」
「エネモール壁カバー(GMLW)」も、「エネモールストレート」に被せる化粧カバーです。しかし、ツバがないので壁面にビスは固定できません。モールテープやプラスチック用接着剤を使用して「エネモールストレート」に接着固定する工法です。屋外用の接着剤を使えば屋外にも使用できますが、一般的にはガスフレキ配管の10A・15Aや灯油用被覆銅管のΦ8・Φ10といった比較的細くて曲がり(R)が小さい配管を引き込む屋内側にオススメしております。
品番 | 幅 | 高さ | 奥行 | 適合モール |
GMLW-8M | 22.7mm | 55.0mm | 19.2mm | GML-8M |
GMLW-10M | 27.0mm | 85.0mm | 23.0mm | GML-10M |
GMLW-15M | 31.5mm | 80.0mm | 27.0mm | GML-15M |
まとめ
外壁貫通部には、美観に優れしっかり固定できる「エネモール壁貫通カバー(GMLWK-8-15M)」をオススメします。ただし、20A以上のガスフレキ配管をお使いの場合は、「エネモール貫通カバー(品番:GMLW)」でなければ配管が収まりません。また、ガスフレキ15Aであったとしても配管した後からカバーをしたいという現場にもこちらをオススメします。
屋内側は「エネモール壁カバー(GMLW)」がスッキリした美観に加えて、「エネモールストレート」に被せるだけなので、内装材を傷つけずに後付けできる点からもオススメしています。
一見すると用途も使い方も同じように見える貫通カバーでも、ちょっとした違いで施工効率や美観を下げていることがあります。配管の化粧は施工後の見栄えに大きく影響しますので、最適なエネモールの継手カバーを選定しましょう。
※この記事は2020年7月3日に公開しましたが、編集し2024年12月19日に再公開しました。
楠功央
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