欧州で668ヘッダーセットが定番であり続ける理由

世界中で長年愛されている定番「ヘッダーセット668」を作るイタリア北部の街ミラノにあるCALEFFI(カレッフィ)社。定番というと、機能もデザインも変わらない老舗の製品という印象があるかもしれませんが、幾度も改良を施し、常に最先端モデルであり続けています。

※2019年7月23日に公開した記事ですが、施工事例を追加、その他の部分も修正して2020年6月5日に再度公開しました。

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温水暖房に必要な部材を丸ごとセット

温水暖房のヘッダーは、ヘッダー本体に加えて、バルブエアベント流量計などをそれぞれ選定して、現場で組立てていくことが一般的だと思います。しかし、現場ごとに異なるのは系統数くらいで、実はほとんどがパターン化されているため、部材の発注とヘッダーを組立てる作業が面倒だと感じいてらっしゃる施工業者様が多いのではないでしょうか?

ヘッダーセット668シリーズ

施工時間と漏水リスクを大幅に短縮する

CALEFFI社の「ヘッダーセット668」は、往き戻りのヘッダーと主管バルブ、流量計、枝管用バルブ、エアベント、バイパス管、ドレンコック、固定用ブラケットがすべてセットになっていますので、発注は回路数だけ確認すればよいのです。

さらに、「部品を現場で組み立てる」というのは、もはや昔の常識。組立ても通水テストも工場で実施済みだから施工時間と漏水リスクを大幅に削減できる点が、世界中で長年愛されている理由です。

現場で作業が必要な箇所は、①主管ボールブルブの向きを調整、②エアベントの接続、③バイパス管の接続ですが、いずれもシールテープやシール剤は不要です。

驚くほど便利な機能が満載

「ヘッダーセット668」が世界中で愛される理由は施工性や安全性だけではありません。備わっていればいいなと思う便利な機能が見事にコンプリートされています。

回路毎1~5L/minの範囲で流量調整

往き側ヘッダーには流量計付き流量調整バルブが内臓されています。放熱端末が多いシステムでは、本来、回路ごとの流量調整が必要ですから重要な機能です。

流量調整の仕方は簡単で、往き側ヘッダーに内臓されている流量計を見ながら、フローメーター部をクルクル回しながら1~5L/minの範囲で調整してください。

①バルブ根本のキャップをマイナスドライバーなどで外します。②キャップを持ち上げます。反転し流量目盛にハメ込み回転させます。④任意の流量になったことを確認しキャップを元に戻します。

アクチュエーターがヘッダー上部に直接接続

戻り側ヘッダーに内臓されているストップバルブは手動で開閉できますが、なんと手動ハンドルを外してアクチュエーターに取替えれば、暖房用コントローラと連動させて自動制御ができます。床暖房では必須アイテムですが、今どきの欧州ではパネルラジエータの場合でもサーモバルブで調整するよりユーザーの使い勝手が良いという理由でコントローラを組み合わせるのが一般的です。

アクチュエーターは電圧にあわせて選定

熱動弁はアクチュエーターとストップバルブ部のストローク長が合わなければ完全止水ができません。よって、CALEFFIのヘッダーにはCALEFFIのアクチュエーターを使います。以下3タイプの熱動弁の施工が国産とは大違い。写真の下にあるリングをヘッダーに手締めでねじ込んだら、本体を上からパチンと音がするまで押し込むだけなんです。

  1. AC100V仕様    116001
  2. AC230V仕様    656202
  3. AC-DC24V仕様  656204

ヘッダー内流体温度が測定できる

「ヘッダーセット668」の主管バルブにはG1/4の接続口があり、「温度計φ40(アングル型背面接続)(品番:688002)」を接続することができます。また、ゲージ部はφ40と小径で美観も損ないません。往き戻りのどちら側にも設置して、放熱状況を常に目視確認することができます。

0℃~80℃の幅広い流体温度と耐久性

ヒートポンプを利用した低温水を循環させる熱源機が少しずつ増えているのは欧州も同じですが、一般的にはパネルラジエータの面積を小さくするために石油やガスを利用する熱源機を使い高温水を流します。この「ヘッダーセット668」は、80℃までの流体温度に対応しているので熱源機を問わず使用することができます。

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施工事例を紹介します

お客様からヘッダーセット668を採用した住宅の写真が届きましたので紹介させていただきます。

  • 施工場所:青森県弘前市
  • 暖房工事:弘前燃料株式会社
  • 建  築:木造2階建
  • 熱   源  機:密閉式ガス暖房熱源機
  • 放熱端末:鉄性パネルヒーターと温水マット(エクセルソーレ55-O2

 

弘前市の冬は平均最低気温-5℃という厳しい寒さですので全館暖房にしています。具体的には、1Fを全面床暖房を導入し、トイレと洗面室、そして2Fにはパネルヒーターという選定が行われました。

パネルヒーターの採用に伴い密閉配管式が選択されることになり、必然的に温水マットも酸素透過しにくい三菱ケミカルインフラテック社製エクセルソーレ55-O2を採用することになりました。

全館に暖房端末を設置する計画となり、必要とする回路数が多く、外気温も低いことからヘッダーを室内に設置することになりました。さらに温水マットとパネルヒーターでは必要な流量が大きく異なるため、循環液が各端末に搬送されているかいつでも見られるようにしたいというお施主様の要望を満たすために「ヘッダーセット668」を収納庫に設置しました。

往き戻りのバルブには温度計(品番:688002)を設置して運転状況の把握もできるようになっています。

まとめ

欧州の住宅は100年以上使われるのが当たり前ですから、15年程度で交換することを前提としている日本の設備とは考え方が異なります。

でもどうでしょう?我が国も住宅の長期性能を保証しようという流れになってきましたよね。熱源機は定期的に交換しなければなりませんが、放熱端末、ヘッダー、そして配管は一度敷設したら数十年使用できる製品を選定すべきではないでしょうか。

668ヘッダーセットが欧州の定番である理由は、機能がオールインワンになっていることはもちろんですが、数十年にわたり使用できる耐久性なのかもしれません。ぜひ、住宅の価値を高めたい、メンテナンス頻度を落としたいとお考えのハウスメーカー様にご提案していただきたい一品です。

ご意見、ご質問はお気軽に。

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CALEFFI本社エントランス前。広大な敷地の融雪も工場全体の空調もすべて地中熱で賄われています。スイスとの国境に近く窓から見える景色も絵のようです。プチ情報ですが、近くにはゼニアやアルマーニなどの高級ブランドの工場が点在していて時期によっては相当安く直販してます!(左が筆者)

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大宮彰大

大宮彰大

営業部所属:ベストパーツ株式会社
2008年入社(31歳)
温水暖房分野を担当し2013年4月完成のベストパーツ株式会社社屋の冷暖房部材選定を行う。
MAIL:omiya.shota@best-parts.jp
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