
最適なコーナーレンチは歯形形状で見極める!選定ポイントを解説
コーナーレンチは歯形形状と重量に注目して選ぶ
適切なコーナーレンチを選ぶためには、使用する管種ごとの適した歯形形状を理解することが欠かせません。例えば、被覆鋼管専用のコーナーレンチは、強いくわえ力を持ちながらも、被覆材を傷つけない設計が施されています。さらに、頻繁に使用する施工業者様にとっては、工具の重量も重要な選定基準です。かつては重い工具が多かったですが、現在では軽量で取り扱いやすいアルミ製が主流となっています。
管種別に解説!コーナーレンチの歯形形状
白管・被覆管用の違いと特徴
コーナーレンチの刃部分の形状は、使用する管の種類に応じて異なります。白管用コーナーレンチの歯は粗く仕上げられており、滑りやすい白鋼管や丸ニップルでもしっかりとくわえることができます。一方、被覆管用の歯形形状は細かく作られており、被覆鋼管の表面を傷つけることなく締め付けが可能です。そして、白鋼管と被覆鋼管の両方に対応する兼用型は、これらの中間の形状をしており、幅広い管種に対応する汎用性を持っています。このように、コーナーレンチの歯形形状を理解することは、適切な工具選定において非常に重要です。

図1:コーナーレンチのくわえ部歯形形状
【白鋼管用】コーナーレンチの特性
白鋼管に特化したコーナーレンチは、粗い歯形形状(図1左)のくわえ部で、滑りやすい白鋼管や継手も確実にグリップします。これにより、作業効率が大幅に向上し、安全性も高まります。また、アルミ製のものを選べば、より扱いやすく手への負担を抑えることも期待できます。
軽量&扱いやすさで選ぶなら「CWALADシリーズ」
CWALADシリーズのアルミコーナーレンチは、その軽量さと高い作業性で、特にガスや水道の鋼管作業に最適です。粗い歯形状により、手で滑りやすい配管をしっかりとくわえ、持ち運びや解体作業を容易にします。鍛造アルミ製の本体と鋼板製のフレームは、耐久性と強度を兼ね備えているため、荷重やひねりにも強く、長期間にわたり安心して使用できます。また、後述する鉄製のCWTシリーズと比較して、約30g~150gの軽量化を実現し、運搬性と作業性を向上させています。
品番 | 管呼び寸法 | 口開き幅 | 重量 | 全長 | 刃幅 |
CWALAD25 | 8~25A | 13~35㎜ | 350g | 250㎜ | 18㎜ |
CWALAD30 | 10~32A | 16~44㎜ | 600g | 300㎜ | 20㎜ |
CWALAD35 | 15~40A | 21~51㎜ | 700g | 350㎜ | 22㎜ |
CWALAD45 | 25~50A | 33~70㎜ | 1200g | 450㎜ | 24㎜ |
狭所作業に最適な「CWTDAシリーズ」
アルミコーナーレンチスリムワイド(CWTDAシリーズ)は、刃幅わずか13mmと非常に薄く、狭所での作業に特化した設計です。また、ガス工事でよく使われる白継手の短ニップルや白エルボ継手など、掴みにくい継手にも適しています。同じアルミ製のCWALADシリーズと比較しても、刃幅が35%薄くなっており、重量も軽減されています。隠ぺい部や壁際、天井などの狭い空間でのネジ回し作業に最適です。
品番 | 管呼び寸法 | 口開き幅 | 重量 | 全長 | 刃幅 |
CWTDA250 | 8~25A | 13〜41㎜ | 350g | 250㎜ | 13㎜ |
CWTDA300 | 10~32A | 16~48㎜ | 475g | 300㎜ | |
CWTDA350 | 15~40A | 21~60㎜ | 580g | 350㎜ | |
CWTDA450 | 25~50A | 33〜70㎜ | 1110g | 450㎜ | 18㎜ |
耐久性に優れた鉄製「CWTシリーズ」
「コーナーレンチスリムワイド(CWTシリーズ)」は、鉄製でありながら刃幅を6~10mm程度薄く設計されており、ユニオンやエルボなど掴み幅の狭い継手をダブルレンチで締め付ける際にもレンチ同士が干渉しません。このシリーズは、一般的な鉄製コーナーレンチよりもコンパクトでありながら、JIS普通品相当の強度を備えています。アルミタイプと比較すると価格面で有利であり、強度と耐久性を求める作業に最適です。
品番 | 管呼び寸法 | 口開き幅 | 重量 | 全長 | 刃幅 |
CWT-250 | 8~25A | 13~41㎜ | 500g | 250㎜ | 13㎜ |
CWT-300 | 10~32A | 16~48㎜ | 650g | 300㎜ | |
CWT-350 | 15~40A | 21~60㎜ | 820g | 350㎜ |
【被覆鋼管用】コーナーレンチの特性
被覆鋼管専用アルミコーナーレンチは、歯形形状が細かく精密に仕上げられ、被覆鋼管の表面を傷つけにくい設計になっているのが特徴です(上図中央)。また、ポリ・塩ビ系被覆、メッキ管の締め付けにも使えます。
CWPALADシリーズ:被覆鋼管作業に最適なアルミコーナーレンチ
「アルミコーナーレンチ 被覆管専用(CWPALADシリーズ)」は、特にポリや塩ビ系の被覆に適しており、きめ細やかな歯が被覆の傷を最小限に抑えます。これにより、締付け後の後処理が不要になり、作業効率が大幅に向上します。また、コーナーレンチの機能に加え、狭所や溝の中など難しい場所での配管作業にも高い効果を発揮します。
品番 | 管呼び寸法 | 口開き幅 | 重量 | 全長 | 刃幅 |
CWPALAD25 | 8~25A | 13~38㎜ | 380g | 250㎜ | 27㎜ |
CWPALAD30 | 10~32A | 16~47㎜ | 630g | 300㎜ | 31㎜ |
CWPALAD35 | 15~40A | 21~53㎜ | 790g | 350㎜ | 35㎜ |
CWPALAD45 | 25~50A | 33~65㎜ | 1270g | 450㎜ | 40㎜ |
CWPAL600 | 40〜80A | 48〜102㎜ | 3000g | 600㎜ | 45㎜ |
CWPAL900 | 65〜100A | 76〜134㎜ | 5600g | 900㎜ | 50㎜ |
【白鋼管・被覆鋼管兼用型】コーナーレンチの特性
白鋼管・被覆鋼管兼用型アルミコーナーレンチは、白鋼管専用と被覆鋼管専用の中間(上図右)にあたる歯形形状です。白鋼管・被覆鋼管はもちろん、エンビ管まで幅広く対応可能です。これにより、さまざまな種類の管にこの一本で適応できるので、工具持ち替えの手間を省き、作業効率を高めることができます。
多用途対応ならコレ一択!「CWVDAシリーズ」
「アルミコーナーレンチ 白管・被覆管兼用(CWVDAシリーズ)」は、従来のコーナーレンチと同じ刃幅を備えながらも、亜鉛メッキ鋼管(白鋼管)やエンビ被覆管・継手の締め付けを容易に行うことができます。その汎用性は、最小限の道具で幅広い作業を行いたいプロの施工業者にとって大きなメリットとなります。
「アルミコーナーレンチ 白管・被覆管兼用(CWVDAシリーズ)」1丁から当日出荷です。
品番 | 管呼び寸法 | 口開き幅 | 重量 | 全長 | 刃幅 |
CWVDA250 | 8~25A | 13~38㎜ | 350g | 250㎜ | 18㎜ |
CWVDA300 | 10~32A | 16~47㎜ | 600g | 300㎜ | 20㎜ |
CWVDA350 | 15~40A | 21~53㎜ | 700g | 350㎜ | 22㎜ |
CWVDA450 | 25~50A | 33~70㎜ | 1200g | 450㎜ | 24㎜ |
CWVDA600 | 40~80A | 48~92㎜ | 3000g | 600㎜ | 30㎜ |
CWVDA900 | 65~100A | 76~118㎜ | 5000g | 900㎜ | 33㎜ |
まとめ
本稿では、白鋼管用、被覆鋼管用、および白・被覆鋼管兼用の各種コーナーレンチの選定において重要な歯形形状の違いを解説しました。コーナーレンチの歯形の違いには、それぞれ対応する管種を傷つけず、なおかつしっかりくわえて作業をしやすくするための工夫が詰まっています。作業の効率と安全性を大幅に向上させることに繋がりますから、特長を把握して適切なコーナーレンチを選びましょう。
※この記事は2021年3月10日に公開しましたが、修正を加え2025年9月5日に再公開しました。
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佐々木瞭

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