
コーナーレンチ歯形形状の違い&選定のポイント
※この記事は2019年5月15日に公開しましたが、追記、修正し2021年3月10日に再公開しました。
アルミ製の中から管種に合う歯形形状を選定する
効率的に作業したいなら、管種に合わせた歯形形状を明確にしておくことが重要です。例えば、被覆鋼管専用品であれば、くわえる力だけでなく被覆材に傷をつけない配慮もされているので安心して締め付けることができます。また、基本的な事ですが、作業量の多い施工業者様は工具重量が軽いに越したことはありません。かつては重量も選定基準のひとつでしたが、今では検討するまでもなく軽くて使いやすいアルミ製が圧倒的に使われています。
白鋼管専用アルミコーナーレンチ
白鋼管専用とされる歯形形状を持つパイプレンチは、くわえる部分の形状を粗く仕上げることで滑りやすい白鋼管や丸ニップルでもしっかりくわえられます。
軽くて使いやすい「アルミコーナーレンチ(CWALADシリーズ)」
軽くて作業性が良い「アルミコーナーレンチ(CWALADシリーズ)」は、くわえ部の歯が粗くガスや水道の鋼管を締め付けたり解体する作業に最適です。また、手では滑りやすい配管をくわえて持ち上げ移動する作業にも使えて便利です。アルミという素材に対して荷重やひねりに弱いイメージを持つ方も少なからずいらっしゃいますが、本体は鍛造アルミでフレーム部分は鋼板という仕様なのでとっても丈夫ですから安心して使用してください。ちなみに、アルミコーナーレンチ(CWALADシリーズ)は、鉄製の「コーナーレンチスリムワイド(CWTシリーズ)」に比べ1丁当り概ね30g~150gも軽量化されているので運搬性や作業性も向上します。
品番 | 管呼び寸法 | 口開き幅 | 重量 | 全長 | 刃幅 | 基準価格 |
CWALAD25 | 8~25A | 13~35mm | 350g | 250mm | 18mm | ¥6,350 |
CWALAD30 | 10~32A | 16~44mm | 600g | 300mm | 20mm | ¥7,730 |
CWALAD35 | 15~40A | 21~51mm | 700g | 350mm | 22mm | ¥8,360 |
CWALAD45 | 25~50A | 33~70mm | 1200g | 450mm | 24mm | ¥12,530 |
ガス工事には「アルミコーナーレンチスリムワイド(CWTDAシリーズ)」
「アルミコーナーレンチスリムワイド(CWTDAシリーズ)」は、パイプレンチよりも狭所作業を得意とするコーナーレンチの刃幅厚みを13mmまでスリム化されているのが特長です。隠ぺい部、壁際、天井等のねじを回しにくい場所や、ガス工事で使用する白継手短ニップルや白エルボ継手などの掴み代の狭い継手にも便利です。さらに同じアルミ製であっても「コーナーレンチアルミAD(CWALADタイプ)」と比較すると、刃幅が35%も薄くなった分だけ軽くなっています。例えば300mmサイズで比較すると600gが475gという具合に125gも違いがあります。
品番 | 管呼び寸法 | 口開き幅 | 重量 | 全長 | 刃幅 | 基準価格 |
CWTDA300 | 10~32A | 16~48mm | 475g | 300mm | 13mm | ¥8,580 |
CWTDA350 | 15~40A | 21~60mm | 580g | 350mm | ¥9,490 |
鉄製の「コーナーレンチスリムワイド(CWTシリーズ)」
「コーナーレンチスリムワイド(CWTシリーズ)」は、一般的な鉄製の「コーナーレンチ(CWタイプ)」より6~10mm程も刃幅が薄くユニオンやエルボなどのつかみ幅の狭い継手をダブルレンチで締め付ける際でもレンチ同士がぶつかりません。アルミタイプと比べると安価ながらパイプレンチJIS普通品相当の強さを持っています。
品番 | 管呼び寸法 | 口開き幅 | 重量 | 全長 | 刃幅 | 基準価格 |
CWT-250 | 8~25A | 13~41mm | 500g | 250mm | 13mm | ¥5,060 |
CWT-300 | 10~32A | 16~48mm | 650g | 300mm | ¥6,390 | |
CWT-350 | 15~40A | 21~60mm | 820g | 350mm | ¥6,900 |
被覆鋼管専用アルミコーナーレンチ
歯形形状を細かく仕上げて被覆鋼管の表面に傷をつけにくく設計されているのが、被覆鋼管専用とされるCWVDAシリーズラインナップです。被覆鋼管に加えてメッキ管を傷つけずに締め付けられる点も嬉しい工具です。
被覆鋼管の締め付け作業に欠かせない「アルミコーナーレンチ(CWPALADシリーズ)」
「アルミコーナーレンチ 被覆管専用(CWPALADシリーズ)」は、くわえ部に設けられた歯が細かいので被覆鋼管に傷をつけずに締め付けや移動ができます。ポリ・塩ビ系被覆にピッタリフィットするきめ細かい歯が被覆の傷を最小に抑え面倒な後処理が不要です。パイプレンチの機能に加え、コーナー部・溝の中など狭所の配管作業に使用すると便利です。
品番 | 管呼び寸法 | 口開き幅 | 重量 | 全長 | 刃幅 | 基準価格 |
CWPALAD25 | 8~25A | 13~38mm | 380g | 250mm | 27mm | ¥9,010 |
CWPALAD30 | 10~32A | 16~47mm | 630g | 300mm | 31mm | ¥10,150 |
CWPALAD35 | 15~40A | 21~53mm | 790g | 350mm | 35mm | ¥10,710 |
CWPALAD45 | 25~50A | 33~65mm | 1270g | 450mm | 40mm | ¥15,530 |
白鋼管・被覆鋼管兼用型アルミコーナーレンチ
白鋼管・被覆鋼管兼用型は、白鋼管専用と被覆鋼管専用の歯形形状の中間形状です。白鋼管・被覆鋼管はもちろん、エンビ管までもくわえられます。
極力少ない工具で作業を行いたい方は「アルミコーナーレンチ(CWVDAシリーズ)」
「アルミコーナーレンチ 白管・被覆管兼用(CWVDAシリーズ)」は亜鉛メッキ鋼管(白鋼管)・エンビ被覆管など配管材料を選ばない幅広い用途で、刃幅は従来のコーナーレンチと同じです。エンビ系一層被覆鋼管・継手の締め付けも容易です。
品番 | 管呼び寸法 | 口開き幅 | 重量 | 全長 | 刃幅 | 基準価格 |
CWVDA250 | 8~25A | 13~38mm | 350g | 250mm | 18mm | ¥6,610 |
CWVDA300 | 10~32A | 16~47mm | 600g | 300mm | 20mm | ¥8,090 |
CWVDA350 | 15~40A | 21~53mm | 700g | 350mm | 22mm | ¥8,750 |
CWVDA450 | 25~50A | 33~70mm | 1200g | 450mm | 24mm | ¥12,760 |
レンチくわえ部分の歯形形状
歯部分の形状を見て頂くと分かりますが、白管用は歯の形状が粗く、被覆管用は細かい形状、兼用型は形状の中間をとっておりどちらにも対応してます。
まとめ
パイプレンチには白管用と被覆管用が有り、それぞれ歯形形状に特長があります。白鋼管専用の歯形形状は管をくわえる部分の形状を粗く仕上げることで滑りやすい白鋼管や丸ニップルでもしっかりくわえられます。反対に、歯形形状を細かく仕上げて被覆鋼管の表面に傷をつけにくく設計されているのが被覆鋼管専用です。いずれにしても本体の材質はアルミ製が主流です。まだお手持ちでなければ、「アルミコーナーレンチ(品番:CWALAD30)」からお試しください。

永井達也

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