これからの季節、ユーザーから暖房設備に関する要望が増えてきます。特に、要望が増えているのが、脱衣所や洗面所など小さな空間への暖房設備の追加です。設備を追加する際には見た目の美しさと機能性を両立させることが重要です。本稿では、小さいスペースの暖房設備として人気の高いガスファンヒーターを追加するにあたり、しばしばスペース確保やデザインへの配慮が求められるガス栓についてご提案いたします。

スペースを生かす設計：埋込型ガスコンセントの魅力

ガスコードの取り外しでガス供給を自動停止する安全機能付きの露出ヒューズガス栓が広く採用されています。以前は、この種のガス栓にガス用ゴム管を接続することが一般的でしたが、現在ではワンタッチでガスコードを接続できる埋込型ガスコンセントが多様化し、壁や床に埋め込む設計がトレンドとなっています。この進化により、視覚的にも機能的にも優れたガス栓増設が可能になりました。

空間を生かす暖房設備：埋込型ガスコンセントの紹介

これまで、ガスファンヒーターを追加する場合、露出型のヒューズガス栓へオレンジ色のガス用ゴム管の接続が標準的な選択肢でした。しかし、限られたスペースの中では、その露出型の設計が場所を取り、見た目にも美しくないという問題がありました。現在、これらの問題に対応するために、インテリアに調和し空間利用を最適化する埋込型ガスコンセントが好評を博しています。本文では、この新たな方向性を示す様々なタイプの埋込型ガスコンセントを取り上げ、脱衣所や洗面所のような限られた空間での利点に焦点を当ててご紹介します。

スリム設計で薄壁に対応できる：藤井合金製作所の「壁埋込C型ガスコンセント」

藤井合金製作所製「壁埋込C型ガスコンセント（品番：SG506B12Z）」は、他の壁埋込型ガスコンセントと比較して、その厚みが半分程度と非常にスリムです。このコンパクトな設計により、壁の断熱材を撤去することなくガスコンセントの増設が行えるため、断熱性能を損なうことなく冷気の流入を抑制できます。ただし、壁に穴を開ける際には、ホールソーではなく、電気コンセントのように鋸引廻しを使用するため、少々手間がかかる点をご了承ください。

壁埋込C型ガスコンセント

品番	接続口径		奥行	ガス種	基準価格/個
SG506B12Z	入口：Rc1/2	出口：コンセント	35mm	都市ガス	￥7,340
SG506B15Z			35mm	LPガス	￥6,920

ガスと電気を同時に増設できる：藤井合金製作所の「壁埋込CE型ガスコンセント」

ガスファンヒーターの導入に際して、ガス供給だけでなく電源の確保も重要な要素となります。特に、電気コンセントが不足している場所での暖房器具の設置は一筋縄ではいきません。「壁埋込CE型ガスコンセント」は、こうした状況に理想的な商品です。ガスコンセントと電気コンセントを同時に増設できるこの製品は、設置場所を最小限に抑え、施工の効率化も実現します。ただし、壁に穴を開ける際には、ホールソーではなく、電気コンセントのように鋸引廻しを使用するため、少々手間がかかる点をご了承ください。なお、LPガス仕様については電気コンセントが同梱されていないため、Panasonicのコスモシリーズと同サイズ、同デザインだから意匠性にも優れます。

壁埋込CE型ガスコンセント

品番	接続口径		電気コンセント	ガス種	基準価格
SG506B12ESZ	入口：Rc1/2	出口：コンセント	1口（同梱）	都市ガス	￥7,700
SG506B2E2SZ			2口（同梱）	都市ガス	￥8,100
SG506B-15EC			1口（別売）	LPガス	￥7,090
SG506B-15E2C			2口（別売）	LPガス	￥7,470

壁埋込CE型ガスコンセントの選択時に考慮すべきガスの比重

壁埋込CE型ガスコンセントを選ぶ際は、ガスの比重によってコンセントの配置が異なる点に注意が必要です。LPガスを利用する場合は、比重が重いために下方に溜まりやすく、その特性に合わせて電気コンセントが上部に来るモデル「壁埋込CE型コンセント（品番：SG506B-15EC）」を選ぶ必要があります。これにより、ガス漏れが起こった際の安全性を高めることができます。一方、比重が軽い都市ガスを使用する状況では、ガスが上昇する特性を考慮して、電気コンセントが下部に配置された「壁埋込CE型コンセント（品番：SG506B12ESZ）」を選択することが推奨されます。これにより、ガスと電気の供給を安全かつ効率的に行うことが可能です。各ガス種に適したコンセントの選定は、安全な施工と使用のために重要な要素ですので、適切なモデル選びを心がけましょう。

とにかく取り付けがカンタン！藤井合金製作所の「壁埋込ガスコンセント」

藤井合金製作所製「壁埋込ガスコンセント」は、施工のしやすさを考慮した設計が特徴です。可動式の固定板を備えており、正面からのねじ締め一つで固定板が動作し、壁をしっかり挟み込んで固定されます。この機能は特に、狭いスペースでの作業効率を大幅に向上させます。さらに、このガスコンセントはねじ式の接続だけでなく、ガスフレキを用いた配管にも対応するワンタッチ式のプッシュインパクトを搭載した商品も提供しており、多様な施工環境に柔軟に適応します。また、前述のC型やCE型と比較して奥行きが深くなるものの、ホールソーを用いた壁開口作業が可能であり、全体的に施工性の良さを追求した製品です。

壁埋込ガスコンセント

品番	接続口径		接続方法	ガス種	基準価格/個
SG730B12A	入口：Rc1/2	出口：コンセント	ねじ	都市ガス	￥7,230
SG710B12A	入口：Rc1/2		ねじ	都市ガス	￥7,920
SG730B-15	入口：Rc1/2		ねじ	LPガス	￥8,220
SG730BQ-10	入口：10A		プッシュインパクト	LPガス	￥8,790
SG710B-10	入口：Rc1/2		ねじ	LPガス	￥8,200
SG710BQ-10	入口：10A		プッシュインパクト	LPガス	￥8,250
SG710BQD-10	入口：15A		プッシュインパクト	LPガス	￥8,380

豊富なカラーバリエーション：光陽産業の床埋込ガスコンセント

床の色は空間の印象を大きく左右します。光陽産業の「床埋込ガスコンセント」は、その美観を損なわないために、様々な床材に調和するようデザインされています。提供されるブラウン、シルバー、アイボリーの3色のプレートオプションは、設置場所の床材との完璧なペアリングを実現します。特に、天然木やフローリングと調和するブラウン色のプレートは、和室から洋室まで、どのような空間にも自然に溶け込むため、意匠にこだわるユーザーに最適です。

床埋込ガスコンセント

品番	接続口径		適合プレート	ガス種	基準価格/個
G855AC-12	入口：Rc1/2	出口：コンセント	166745/166746/166747	都市ガス	￥9,760
G855AC5-1210	入口：10A				￥10,090
G855AC5-1215	入口：15A				￥10,280
G855AC5-10AK	入口：10A		付属プレート：166747	LPガス	￥11,800
G855AC5-15AK	入口：15A				￥11,900
G855AC-09PB	入口：Rc1/2		付属プレート：166745		￥9,440

※黒文字はメーカー定価です。

カンタン接続で安全性も向上：ワンタッチ式多重シールガスコード

ガスファンヒーターなどの暖房器具の接続には、取り扱いやすさと安全性が不可欠です。埋込型ガスコンセントとガスファンヒーターの接続をより容易にするために設計された多重シールガスコードは、その長さが0.5mから5.0mまで選べ、様々な設置環境に対応します。機器接続側にはSL兼用の迅速継手を採用し、セキュリティを高めるために3枚のシールパッキンを追加するなど、万全の安全対策が施されています。接続時には確実な”カチッ”という音がし、安全を示す青色のラインが視覚的にも確認できるため、施工者もユーザーも安心して使用できます。また、細身のφ7ホースでありながら、7.81kWのガス消費量に対応する流量を保証し、強度と柔軟性を兼ね備えた鋼線入りのホースは耐久性も抜群です。

多重シールガスコード（自在型）

品番	全長	内径	最高使用圧力	基準価格/本
GC-05SL	0.5m	φ7	3.24kPa	￥3,210
GC-10SL	1.0m			￥3,480
GC-20SL	2.0m			￥4,240
GC-30SL	3.0m			￥4,990
GC-40SL	4.0m			￥5,750
GC-50SL	5.0m			￥6,220

まとめ

冷え込む季節が近づくにつれ、脱衣所や洗面所の暖房設備への関心が高まります。このような場所では、空間を有効に活用し、デザインを損なわない提案が求められます。ここで活躍するのが、スペースを節約し、インテリアに溶け込む埋込型ガスコンセントです。

本体が薄型で壁の厚みを問題としない壁埋込C型ガスコンセントは、特にLPガスと都市ガスの両仕様（品番：SG506B15ZおよびSG506B12Z）で人気があります。加えて、電気コンセントが不足している場所では、ガスと電気の両方を提供する壁埋込CE型ガスコンセントが最適です。そして、施工の容易さを最優先に考える場合は、「フレキ継手付壁埋込貫通式ガスコンセント（品番：SG710BQD-10）」がその手軽さで際立っています。プッシュインパクト式を採用し、単にガスフレキを差し込むだけで設置完了という利便性は、施工業者にとって大きなメリットとなるでしょう。

※本記事は2022年2月4日に公開しましたが、新商品の追加を行い2023年11月7日に再公開いたしました。