
今の時代にピッタリ!資材高騰・職人不足下での「防雪屋根付平地置用架台」の価値
経済性を優先:脚の一体化がもたらすコストダウンとその課題
従来型のエアコン架台は、架台の組み立て後に屋根の脚を架台の脚に取り付ける施工方法が主流です。一方、バクマ工業の「防雪屋根付平地置用架台」は、架台と防雪屋根の脚を一体化することで、施工時間を短縮し、コストを削減しています。しかし、この一体化により、全長が固定されるという課題が残っています。経済性を追求する一方で、柔軟な高さ調整が難しくなっているのです。
シンプルかつ確実な施工手順
施工方法はシンプルで直感的です。まず、調整足にスベリ止め防振ゴムを取付けてから、それを脚アングルに固定します。コンクリート基礎や犬走にアンカーボルトで固定をする場合には、防振ゴムの劣化による緩みを防ぐため、スベリ止め防振ゴムを取り付けずに直接調節足の上からアンカー固定します。次に、ヨコフレームに組み込まれた六角ボルトを緩めて、タテフレームを差し込んで組み立てます。

図1:脚アングルに調整足を取り付けし、ヨコフレームとタテフレームを組み立てします。
1の脚アングルに2のタテヨコのフレームが固定されると、大枠が形成されます。最終的に、室外機を固定する室外ユニット積載フレームと防雪屋根を取り付けます。架台と屋根を共通の脚アングルで固定することで、ボルトの固定箇所が半分に削減されています。さらに、防雪屋根を確実に締め付けるため、根角ボルトを採用しており、これにより供回りを防止しています。

図2:全長の調整はできないものの、タテヨコフレームの固定位置を上下させれば595mm~995mmの範囲で室外ユニットに合わせた高さ調整が可能。
ZAM鋼板の特性と「防雪屋根付平地置用架台」の耐蝕性
「防雪屋根付平地置用架台」は、耐蝕性に優れたZAM鋼板で作られています。ZAM鋼板は、亜鉛(Z)、アルミ(A)、マグネシウム(M)の3つの要素から成るメッキ鋼板で、特に耐蝕性に秀でています。一般的などぶメッキとの大きな違いは、メッキの処理工程にあります。どぶメッキは、材料成型後にメッキを施すため、端面にもメッキ処理が施されます。対照的に、ZAM鋼板は、先にメッキ処理を行い、その後加工することで、工程を効率化し、コスト削減を実現しています。そのため、ZAM鋼板の端面は初めは酸化して赤錆が現れることがありますが、雨水などでメッキ層が溶け出し、この亜鉛系の保護膜が端面を覆うことで、次第に黒っぽく変色し、強力な耐蝕性を発揮します。そのため、塩害の影響を受けやすい地域でも安心して使用することができます。
日晴金属製とバクマ工業製のコスト比較
日晴金属のどぶメッキ製の平地高置用架台に防雪屋根を組み合わせた場合とバクマ工業製の「防雪屋根付平地置用架台」とでコストを比べてみます。
日晴金属製で組み合わせた場合
品 番 | 品 名 | エアコン固定寸法 | 基準価格 | |
W | D | |||
C-NZJ5-2 | 平地高置用架台 | 300~650 | 160~340 | ¥5,850 |
C-RZJ2 | 防雪屋根 | ー | ー | ¥12,650 |
合 計 | ¥18,500 |
バクマ工業製「防雪屋根付平地置用架台」の場合
品 番 | 品 名 | エアコン固定寸法 | 基準価格 | |
W | D | |||
B-HYZAM | 防雪屋根付平地置用架台 | 295~620 | 150~338 | ¥14,700 |
結論: エアコンの固定寸法が同じ場合、バクマ工業製の採用により、約25%のコストを削減できます。しかし、日晴金属はどぶメッキを採用しているのに対し、バクマ工業は無塗装のZAM鋼板を使用しているため、初期段階で端面の赤錆の発生が考えられます。また、屋根の高さを変えられないので、特に高さのある室外ユニットを設置する場合、雪害を避けられる高さまで上げられない現場もあるでしょう。しかしながら、目立たない場所に設置するのであれば、バクマ工業製の「防雪屋根付平地置用架台」の選択も検討の価値があります。
防雪屋根付平地置用架台のラインナップ
品番 | エアコン固定寸法 | エアコン有効寸法 | 基準価格 | |||
W | D | 幅 | 奥行 | 高さ | ||
B-HYZAM | 295~620 | 150~338 | 723 | 304 | 995 | ¥14,700 |
B-HYZAM-L2 | 335~740 | 180~380 | 827 | 384 | 1264 | ¥16,900 |
まとめ
近年の資材高騰と職人不足が原因でエアコン架台の価格が上昇している中、架台と防雪屋根を一体化した「防雪屋根付平地置用架台」が注目を浴びています。この架台は施工時間の短縮とコスト削減を実現しています。ただし、初期の赤錆発生や全長の固定による調整の限界も考慮する必要があります。

佐々木瞭
2018年より営業部に所属し、分類は配線器具・設置固定を担当しています。
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