凍結防止ヒーターに種類が多い理由と選ぶポイントについて

おはようございます、永井です。

今回は、凍結防止ヒーターの種類が多い理由と、その中から何を基準にして選べばいいのかをお伝えします。

※この記事は2019年1月9日に公開したものに2019年1月27日に追記したものです。

なぜ凍結防止ヒーターにはたくさん種類がある!?

凍結防止ヒーターに種類がたくさんある理由は、対象になる多様な配管の材質と長さに合わせて選定する必要があるからです。また、近年では消費電力量やアースの有無も選定基準に加えられるようになりました。

つまり、現場の環境に合わせた凍結防止ヒーター選びが欠かせないということです。

配管の材質に合わせるコツ

配管材料は鋼管→銅管→塩ビ管→架橋ポリエチレンパイプやポリブデンパイプと変化してきました。

昔は熱伝導率が高く凍結しやすい金属配管が主流だったため、発熱体を軟質塩ビで被覆する技術で柔軟性を付与し配管に巻きつけやすくしていましたが、架橋ポリエチレンパイプやポリブデンパイプといった樹脂配管に対して、発熱体の被覆に用いられている軟質塩ビに含まれる可塑剤が移行してパイプが脆化する事が分かり、その対策として発熱体の外層に金属メッシュやフッ素といった材料が採用されるようになりました。

凍結防止ヒーターを選ぶ際には、実績があるからという理由でいつも同じ製品を選定する方もいらっしゃると思いますが、管種が増えた今となってはオススメできません。

配管の長さに合わせた選択肢

凍結防止ヒーターの重ね巻きは厳禁ですが、自己温度制御型に限り重ね巻きをしても問題はありません。とはいえ美観とコストを考えれば配管長に合わせて選ぶ方が賢明です。

長さ(m) PLD D ECO7 RHE GSL ES EFH DSRX
0.5
0.75
1.0
1.5
2.0
2.5
3.0
3.5
4.0
5.0
6.0
7.5
8.0
10.0
15.0
20.0

凍結防止能力に違いはある?

凍結防止能力は消費電力量×運転時間で決まります。よって、下図の通り商品毎に違いがあります。例えばニクロム線ヒーター型で比較すると、消費電力が15W/mのIFTヒーターは、3℃で通電し10℃で停止するのに対して、消費電力12W/mのレギュラーヒーターは5℃で通電し13℃で停止します。要は消費電力量=発熱量が低い分を通電時間を長くして補っているのです。

品名 管種 消費電力 通電温度 停止温度
IFTヒーター 金属 15.0W/m 3℃ 10℃
DSRXヒーター 金属・樹脂 14.0W/m 自己温度制御型
エコセブンヒーター 金属 12.0W/m 5℃ 5℃
レギュラーヒーター 金属 12.0W/m 5℃ 13℃
GSLヒーター 樹脂 11.5W/m 自己温度制御型
ESヒーター 樹脂 10.0W/m 自己温度制御型
エコフィットヒーター 樹脂 7.5W/m 5℃ 5℃

※消費電力は配管温度が10℃の設計出力

ニクロム線ヒーター型の動作

ニクロム線ヒーター型の凍結防止ヒーターはサーモスタットの働きで通電と停止を繰り返して無駄な電力消費をなくしています。意外と知られていないのは、サーモスタットには配管温度検知式と外気温検知式の2種類があるということ。外気温検知式の場合、劣化が早いサーモスタット部を交換できるメリットがある一方で、配管(流体)が温かいのに外気温が低いために通電するパターンがあり評価の難しいところです。私は、配管温度検知式の方が無駄なく確実に凍結防止ができると考えています。

自己温度制御型の動作

最近増えてきている自己温度制御型の凍結防止ヒーターは、周囲の温度が低くなると抵抗が減少(発熱量増加)し、高くなると抵抗が増加(発熱量減少)して発熱体が通電を連続的に変化させる方式です。

自己温度制御型に別売サーモスタットは必要?

連続通電が必要な自己温度制御型で、通電時間の抑制や製品寿命の延命をはかりたい方は、別売のサーモスタットをつけましょう。自己温度制御型の別売サーモスタットは外気温検知式なので、後からでも取り付けることができます。ただし、自己温度制御型は突入電流が安定時の1.5倍以上流れるため、専用品以外は使用しないでください。

品名 通電温度 停止温度
DSRX用サーモスタット 3℃ 10℃
GSL・ES用節電スイッチ 5℃ 15℃

金属配管用凍結防止ヒーターのご紹介

IFTヒーター(電熱産業株式会社)

PLD・Dシリーズはサーモスタット型(配管温度検知式)

IFTヒーターの中でもPLDおよびDシリーズは、業界最高の15W/mの消費電力量なので、金属配管に沿わせるだけで凍結防止効果を発揮します。配管と外壁の間に隙間がほとんどなく凍結防止ヒーターを巻きつけることができない施工現場に有効です。

もちろん、巻きつけると更に厳しい環境下でも凍結防止能力を発揮します。

IFTシリーズのサーモスタットは配管温度検知式なので金属配管に密着させて施工してください。配管温度検地式は、外気温検知式では拾えない風の影響による管内流体温度の低下を検知する事ができるので戸建住宅に最適です。

品番のPLDタイプとDタイプの違いは通電状態が見えるパイロットランプの有無です。凍結防止ヒーターの寿命は使用年数ではなくスイッチング回数によるため、凍結する前に劣化が目視できる通電の見える化は重要です。なおDタイプの場合は、凍結シーズン前に通電テスターを使用して確認してください。

エコセブンヒーター(山清電気株式会社)

エコセブンヒーター(ECO7)はサーモスタット型(外気温検知式)

エコセブンヒーター(eco7)は節電重視の方にお勧めです。外気温5℃で徐々に通電、0℃になってやっとフル通電という動作をします。遮断動作はその逆で、外気温0℃で徐々に消費電力量を減らし5℃で遮断という具合に、フル通電時間が他の凍結防止ヒーターより短いのが特徴です。

気をつけたいのは、外気温度検知式のエコセブンヒーターは風が強い現場の場合は配管内部の急激な温度低下を検知できず凍結する恐れがある点です。ですから、マンションならパイプシャフト、戸建住宅であれば配管カバーの内部に設置すると正しく能力を発揮します。

山清電気株式会社 ホームページから引用

樹脂配管用凍結防止ヒーターのご紹介

GSLタイプ(東京特殊電線株式会社)

GSLヒーターは自己温度制御型

GSLヒーターはヒーターガイド管の無い保温材付架橋ポリエチレンパイプポリブデンパイプに最適です。発熱体部が幅5.6mmと細く、厚み3.6mm薄いので、保温材とパイプの間に挿入しやすい設計になっています。

発熱体の被覆材は可塑剤が入っていない為、樹脂配管が脆化しません。さらに耐熱温度が105℃なので様々な温度帯で使用できます。

また、GSLヒーターは凍結シーズン以外は電源プラグをコンセントから抜かなければなりません。

ベストパーツでは、凍結シーズン以外の通電を抑制する別売の節電スイッチ(ランプ付)を組み合わせることをオススメします。そうすると、外気温検知が5℃になるまで通電せずに済み節電できることに加え、コンセント差し忘れによる凍結の心配もなくなるからです。

EFHタイプ(山清電気株式会社)

エコフィットヒーター(EFH)シリーズはサーモスタット型(外気温検知式)

エコフィットヒーターは、ヒーターガイド管付架橋ポリエチレン管・ポリブデン管のために開発された商品ですが、発熱体部はΦ4.5mmと細くフッ素樹脂を使用している為、ガイド管無しでも挿入しやすい設計です。

コントローラーで外気温検知し、5℃以下でON、5℃以上でOFFの動作でー10℃までの凍結防止が可能です。

被覆材は前述の通りフッ素樹脂のため可塑剤移行の恐れはなく、耐熱温度も120℃と安心して使用できます。

ただし、面状発熱体ではないため、給水管と給湯管を1本のヒーターで施工は出来ません。回路ごとに分岐コネクタ、または防水コンセントで分岐して使用して下さい。

DSRXタイプ(電熱産業株式会社)

 

 

DSRXヒーターは自己温度制御型

現場が金属管か樹脂管か分からない!そんな時は金属配管・樹脂配管兼用のDSRXヒーターさえ持っていれば安心です。尚且つ1本で給水管・給湯管の両方に凍結防止を行う事ができるので、屋外コンセントが不足している場合にも便利です。更に、必要な箇所だけ加熱されるため、屋内外に対して1本のヒーターで対応する事もできます。

また、アースもしっかりとれているため、落雷が多い地域の方にお使いいただきたい仕様です。

注意したいのは、ONになったときの突入電流が通常の1.5~2倍程度流れる為、コンセントから分岐する場合は、節電効果も見込めるDSR専用サーモスタットのご利用をオススメします。

まとめ

凍結防止ヒーターは従来の実績や近くで販売しているものを使うのではなく、しっかり設置環境と配管材料を確認して適切な製品をお使いください。

また、パイロットランプ付のヒーターやサーモスタットを活用して、通電の見える化をしてみてはいかがでしょうか?

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