凍結防止ヒーターに種類が多い理由と選定ポイント

ベストパーツOnlineでは、9種92アイテムの凍結防止ヒーターをラインナップしています。やみくもにラインナップしているのではありません。全ての現場に合わせられるよう必要最低限のものだけを吟味してラインナップしているのです。

※この記事は2019年1月9日に公開しましたが、編集・校正し2020年10月8日に再度公開しました。

なぜ凍結防止ヒーターにはたくさん種類がある!?

凍結防止ヒーターに種類がたくさんある理由は、対象になる多様な配管の材質と長さに合わせて選定する必要があるからです。また、近年では消費電力量やパイロットランプの有無も選定基準に加えられるようになりました。つまり、現場の環境に合わせた凍結防止ヒーターを選定するにはこれだけのラインナップが必要なのです。

選定ポイント1:配管材質に適合した発熱体を持つシリーズに絞り込む

配管材料は鋼管→銅管→塩ビ管→架橋ポリエチレンパイプポリブデンパイプと変化してきました。

昔は熱伝導率が高く凍結しやすい金属配管が主流だったため、発熱体を軟質塩ビで被覆する技術で柔軟性を付与し配管に巻きつけやすくしていました。しかし、架橋ポリエチレンパイプやポリブデンパイプといった樹脂配管が主流になると、発熱体の被覆に用いられている軟質塩ビに含まれる可塑剤が移行して、樹脂配管が脆化する事が分かり、その対策として発熱体の外層に金属メッシュやフッ素といった材料が採用されるようになりました。

まずは、配管材料に適合した凍結防止ヒーターを確認しましょう。「鋼管・銅管」を金属管、「塩ビ管・架橋ポリエチレンパイプ・ポリブデンパイプ」を樹脂管として表にしました。

品名 シリーズ型式 配管材料
IFTヒーター(パイロットランプ付) PLD 金属管
IFTヒーター D
エコセブンヒーター ECO7
レギュラーヒーター RHE
GSLヒーター GSL 樹脂管
ESヒーター ES
エコフィットヒーター EFH
自己制御型ヒーター DSRX 金属管・樹脂管両用
ドレン管用自己制御ヒーター TM

PFD管

選定ポイント2:必要な長さの有無を確認する

配管材料から凍結防止ヒーターのシリーズを選んだら、次に現場に必要な長さの有無を確認します。ここでご注意いただきたいのは、重ね巻きが火災事故の元になるサーモスタット型凍結防止ヒーター(PLDDECO7RHEEFH)は、必要以上に長いヒーターを選定してはいけないという点です。一方、自己温度制御型(GSLESDSRXTM)は、重ね巻きができるだけでなく、給水と給湯を一本のヒーターでまかなうことができるので、長いヒーターを選定して上手に利用してください。

長さ(m) PLD D ECO7 RHE GSL ES EFH DSRX TM
0.5
0.7
0.75
1.0
1.2
1.5
2.0
2.5
3.0
3.5
4.0
5.0
6.0
7.5
8.0
10.0
15.0
20.0

選定ポイント3:センサー特徴を知り凍結防止能力でシリーズを決める

配管材料に合わせて絞り込み、配管長を選んだら、いよいよ地域の気温や設置状況に相応しい凍結防止能力があるシリーズを決定します。その際、センサー型、通電温度、停止温度、そして発熱量(消費電力量)の要素を確認してください。

万能タイプの「サーモスタット型」

ニクロム線ヒーターを使った「サーモスタット型」は、サーモスタットの働きで通電と停止を繰り返して無駄な電力消費を削減しています。よって、サーモスタット取付位置が重要です。意外と知られていないのは、サーモスタットには「配管温度検知式」と「外気温検知式」の2種類あるということ。外気温検知式の場合、サーモスタットを配管に密着させる必要がなく施工が容易といったメリットがある一方で、配管(流体)が温まっても外気温が低い冬場は通電しっぱなしになるため、電気料金の増加や過剰加熱の恐れがあります。私は、配管温度検知式の方が無駄なく確実に凍結防止ができると考えています。

長い距離を1本でまかなうことができる「自己温度制御型」

最近増えてきている自己温度制御型の凍結防止ヒーターは、周囲の温度が低くなると抵抗が減少し発熱量を増加させ、高くなると抵抗が増加し発熱量を減少させます。「必要な箇所を必要な分だけ温める」といった非常に賢い制御をするため、給水配管と給湯配管を1本のヒーターでまかなうことができます。ただし、常に発熱体全体で周囲温度を検知しているため、電源コンセントが抜かれるまでは微電流が流れ続けています。よって、別売の節電スイッチなどを取付けて電気料金をセーブすることをオススメします。

通電温度と停止温度、そして発熱量で凍結防止能力を知る

凍結防止能力は「消費電力量×運転時間」で決まります。例えば、消費電力が15W/mのIFTヒーターは、3℃で通電し10℃で停止するのに対して、消費電力12W/mのレギュラーヒーターは5℃で通電し13℃で停止します。要は消費電力量=発熱量が低い分を通電時間を長くして補っているのです。現場の外気温等を考慮し選んでください。但し、極寒地ではそもそもの発熱量が少ないと運転時間を長くしても凍結を防止できない場合がありますので、消費電力量が多いタイプを選んでください。

凍結防止ヒーター 仕様比較表
シリーズ型式 消費電力 サーモスタット検知方式 通電温度 停止温度 パイロットランプ有無
PLD 15.0W/m 配管温度検知 3℃ 10℃
D 15.0W/m 3℃ 10℃ X
ECO7 12.0W/m 外気温検知 5℃ 5℃
RHE 12.0W/m 配管温度検知 5℃ 13℃ X
GSL 11.5W/m 自己温度制御型
ES 10.0W/m 自己温度制御型 X
EFH 7.5W/m 外気温検知 5℃ 5℃
DSRX 14.0W/m 自己温度制御型 X
TM 14.0W/m 外気温検知 3℃ 10℃ X

TMシリーズは自己温度制御型でサーモスタット付となります。

あると便利 パイロットランプ

パイロットランプとは、通電状態を表示するランプです。凍結防止ヒーターの寿命は使用年数ではなくスイッチング回数によるため、劣化が確認できる「通電の見える化」は重要です。なおパイロットランプが付いていない場合は、凍結シーズン前に通電テスターを使用して確認してください。「プラグが入っているのにヒーターが故障していて凍結した」という話をよく聞きます。

PFS管

金属配管用凍結防止ヒーターのラインナップ

IFTヒーター(電熱産業株式会社)

IFTヒーター(PLD・Dシリーズ)はサーモスタット型(配管温度検知式)

PLDおよびDシリーズは、業界最高の15W/mの消費電力量なので、金属配管に「沿わせるだけ」で凍結防止効果を発揮します。「巻きつける」と更に厳しい環境下でも凍結防止能力を発揮します。沿わせるだけなので、配管と外壁の間に隙間がほとんどなく凍結防止ヒーターを巻きつけることができない施工現場に有効です。

IFTヒーター(パイロットランプ付) PLDタイプ
品番 消費電力(W) 発熱体長(m) 基準価格
PLD-0.5 7.5 0.5 ¥2,070
PLD-1 15 1 ¥2,340
PLD-1.5 22.5 1.5 ¥2,460
PLD-2 30 2 ¥2,640
PLD-3 45 3 ¥2,880
PLD-4 60 4 ¥3,310
PLD-5 75 5 ¥3,670
PLD-6 90 6 ¥4,140
PLD-8 120 8 ¥5,150
PLD-10 150 10 ¥5,990
PLD-15 225 15 ¥9,310
IFTヒーター Dタイプ
品番 消費電力(W) 発熱体長(m) 基準価格
D-0.5 7.5 0.5 ¥1,440
D-1 15 1 ¥1,590
D-1.5 22.5 1.5 ¥1,730
D-2 30 2 ¥1,890
D-2.5 37.5 2.5 ¥2,030
D-3 45 3 ¥2,160
D-4 60 4 ¥2,460
D-5 75 5 ¥2,940
D-6 90 6 ¥3,300
D-8 120 8 ¥4,130
D-10 150 10 ¥4,730
D-15 225 15 ¥7,530

エコセブンヒーター(山清電気株式会社)

エコセブンヒーター(ECO7)はサーモスタット型(外気温検知式)

エコセブンヒーター(ECO7)は節電重視の方にお勧めです。外気温5℃で徐々に通電、0℃になってやっとフル通電という動作をします。遮断動作はその逆で、外気温0℃で徐々に消費電力量を減らし5℃で遮断という具合に、フル通電時間が他の凍結防止ヒーターより短いのが特徴です。

ただし、外気温度検知式のエコセブンヒーターは、風が強い現場の場合に配管内部の急激な温度低下を検知できず凍結する恐れがある点には注意が必要です。例えば、マンションならパイプシャフト、戸建住宅であれば配管カバーの内部に設置するような現場において正しく能力を発揮します。

品番 消費電力(W) 発熱体長(m) 基準価格
ECO7-0.5 6 0.5 ¥2,440
ECO7-1 12 1 ¥2,500
ECO7-1.5 18 1.5 ¥2,630
ECO7-2 24 2 ¥2,750
ECO7-2.5 30 2.5 ¥2,820
ECO7-3 35 3 ¥2,940
ECO7-3.5 42 3.5 ¥3,000
ECO7-4 48 4 ¥3,070
ECO7-5 55 5 ¥3,500
ECO7-6 60 6 ¥3,690
ECO7-8 80 8 ¥5,070
ECO7-10 100 10 ¥5,690

追い焚き配管部材一覧

樹脂配管用凍結防止ヒーターのラインナップ

GSLヒーター(東京特殊電線株式会社)

GSLヒーターは自己温度制御型

GSLヒーターはヒーターガイド管の無い保温材付架橋ポリエチレンパイプポリブデンパイプに最適です。発熱体部が幅5.6mmと細く、厚み3.6mmと薄いので、保温材とパイプの間に挿入しやすい設計になっています。発熱体の被覆材は可塑剤が入っていない為、樹脂配管が脆化しません。さらに耐熱温度が105℃なので様々な温度帯で使用できます。

なお、一年中微電流が流れ温度を検知し続ける仕様のGSLヒーターには、外気温が5℃になるまで通電を停止する節電スイッチ(ランプ付)を組み合わせることをオススメします。

品番 消費電力(W) 発熱体長(m) 基準価格
GSL-0.5 5.8 0.5 ¥3,040
GSL-1 11.5 1 ¥3,210
GSL-1.5 15.9 1.5 ¥3,530
GSL-2 21.2 2 ¥3,730
GSL-2.5 26.5 2.5 ¥4,020
GSL-3 31.8 3 ¥4,220
GSL-4 42.4 4 ¥5,390
GSL-5 53 5 ¥6,350
GSL-6 63.6 6 ¥7,180

EFHヒーター(山清電気株式会社)

エコフィットヒーター(EFH)はサーモスタット型(外気温検知式)

エコフィットヒーターは、ヒーターガイド管付架橋ポリエチレンパイプ・ポリブデンパイプのために開発された商品です。発熱体部はΦ4.5mmと細くフッ素樹脂を使用している為、ガイド管が無い保温材付樹脂管でも挿入しやすい設計です。コントローラーで外気温検知し、5℃以下でON、5℃以上でOFFの動作でー10℃までの凍結防止が可能です。被覆材はフッ素樹脂のため可塑剤移行の恐れはなく、耐熱温度も120℃と安心して使用できます。

品番 消費電力(W) 発熱体長(m) 基準価格
EFH-0.5 3.8 0.5 ¥3,500
EFH-0.75 5.6 0.75 ¥3,750
EFH-1 7.5 1 ¥3,950
EFH-1.5 11.3 1.5 ¥4,380
EFH-2 15 2 ¥4,740
EFH-2.5 18.8 2.5 ¥5,430
EFH-3 22.5 3 ¥6,100
EFH-3.5 26.3 3.5 ¥6,970
EFH-4 30 4 ¥7,890
EFH-5 37.5 5 ¥9,130
EFH-6 45 6 ¥10,420

DSRXヒーター(電熱産業株式会社)

DSRXヒーターは自己温度制御型

「現場が金属管か樹脂管か分からない!」そんな時は、金属管・樹脂管両用のDSRXヒーターさえ持っていれば安心です。尚且つ1本で給水管・給湯管の両方に凍結防止を行う事ができるので、屋外コンセントが不足している場合にも便利です。また、アースもしっかりとれているため、落雷が多い地域の方にお使いいただきたい仕様です。

注意したいのは、ONになったときの突入電流が通常の1.5~2倍程度流れる点です。よって、コンセントから分岐する場合は、節電効果も見込めるDSR専用サーモスタットのご利用をオススメします。

品番 消費電力(W) 発熱体長(m) 基準価格
DSRX-0.5 7 0.5 ¥1,790
DSRX-1 14 1 ¥2,500
DSRX-1.5 21 1.5 ¥3,210
DSRX-2 28 2 ¥3,950
DSRX-2.5 35 2.5 ¥4,700
DSRX-3 42 3 ¥5,450
DSRX-4 56 4 ¥6,940
DSRX-5 70 5 ¥8,420
DSRX-6 84 6 ¥9,910
DSRX-10 140 8 ¥15,880
DSRX-15 210 10 ¥23,320
DSRX-20 280 15 ¥30,770

 

まとめ

凍結防止ヒーターは多様な配管の材質と長さに合わせて選定する必要があります。また、消費電力量や作動検知方式、パイロットランプの有無も選定基準に加えてください。実績が多いのは、金属配管にはPLDシリーズ、樹脂配管にはGSLシリーズです。

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室橋尚哉

室橋尚哉

1989年ベストパーツ株式会社(旧東北綜合器材株式会社)入社。分類は空調換気を担当。1963年生まれ。
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